2018 Fiscal Year Annual Research Report
Eicosapentaenoic acid inhibits skin fibrosis in acquired lymphedema
Project/Area Number |
17K17788
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐野 真規 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (40733514)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リンパ浮腫 / 線維化 / イコサペント酸エチル |
Outline of Annual Research Achievements |
リンパ浮腫では皮膚障害を発症するが皮膚評価方法開発は遅れている。目的:ヒトリンパ浮腫の皮膚粘弾性評価方法を確立すること。方法:蛍光リンパ管造影とシンチグラフィーで下肢リンパ浮腫と確定診断された症例を対象とし、皮膚粘弾測定器(Cutometer)プローベを皮膚に当て2秒間吸引した後に吸引を解除し、吸引時皮膚位置(a)、吸引解除2秒後皮膚位置(b)からR = b/a を算出した。前腕、大腿R値を計測し、年齢と前腕R値、前腕R値と健常大腿R値の相関式を求めた。相関式、前腕R値、リンパ浮腫大腿R値から、実測粘弾性年齢、予測粘弾性年齢、粘弾性年齢差(実測粘弾性年齢-予測粘弾性年齢)を算出した。国際リンパ学会病期分類により、下肢を、健常、Stage I/IIa, IIb+IIIの3群に分け、粘弾性年齢差を比較した。結果:25例(原発/続発:7/18, 片側/両側:15/10)、50下肢(健常:15、Stage I/IIa:27、IIb/III:8)。粘弾性年齢差はI/IIa群で5歳、IIb/III群で10歳増加した。考察:加齢や上肢リンパ浮腫におけるCutometerの有用性は既に報告されている。皮膚粘弾性は加齢にて低下するため、リンパ浮腫患者の皮膚粘弾性低下が、加齢による影響かリンパ浮腫による影響かを判断するのは困難である。上肢リンパ浮腫では、患肢を健常な非患肢と比較すれば加齢の影響を補正できるが、下肢リンパ浮腫では両側発症も多く左右の比較は有用ではない。年齢の影響を補正するため、前腕皮膚粘弾性から大腿皮膚予測粘弾性年齢を算出し、実際の皮膚粘弾性年齢との差を算出することで、リンパ浮腫の皮膚粘弾性への影響を定量的に評価できることを示した。この評価方法は、リンパ浮腫治療による皮膚弾性改善効果の評価にも有用な可能性がある。
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