2020 Fiscal Year Annual Research Report
Actomyosin-based control of tissue morphology
Project/Area Number |
17K17799
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
進藤 麻子 熊本大学, 発生医学研究所, 准教授 (60512118)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 発生生物学 / 表皮形態形成 / アクトミオシン / 化合物スクリーニング / アフリカツメガエル / 創傷修復 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞骨格アクチンとモーター蛋白質ミオシンの複合体であるアクトミオシンは、細胞内で収縮力を発生し、細胞の駆動力となることがよく知られている。動物の発生過程においてアクトミオシンが発生する細胞内収縮力は、正常組織の形態形成で見られるダイナミックな細胞運動のみならず、損傷を受けた組織の修復を担う細胞運動にも必須である。一方で、アクトミオシンの収縮活性を制御する機構には未だ不明な点が多い。本研究では、アフリカツメガエル胚をモデルとして、化合物スクリーニングにより新たなアクトミオシン収縮活性の制御分子を発見した。 新たに発見した制御分子の機能を発生中の表皮組織において探索したところ、アクトミオシンが活発に動く細胞のみならず、静止した細胞の形態維持にも関与することを見出した。アフリカツメガエル胚表皮において当制御分子が機能しないと、アクトミオシンが必要のないタイミングで異所的に活性化するため、細胞の形態に異常が生じることがわかった。さらに、当制御分子のアクトミオシン収縮活性を介した細胞形態維持機能は、その後の表皮の発生を進行、継続させるために必要であることもわかった。 今回発見されたアクトミオシンの収縮活性制御機構が、創傷収縮といった強力なアクトミオシン収縮を要する細胞運動にどう関わるか明らかにすることは、継続すべき重要な課題の1つである。また、本研究で行なった化合物スクリーニングは、アフリカツメガエル胚を使用したユニークなスクリーニング法であったため、上記分子以外にもこれまで注目されてこなかったアクトミオシン収縮活性の制御候補分子が発見されている。本研究で新たに開発した手法と成果は、今後の研究の発展につながるものとなった。
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Research Products
(3 results)