2018 Fiscal Year Annual Research Report
Pathogen pressure and evolutionary trade-off in the regulation of plant stomatal aperture
Project/Area Number |
17K17802
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
峯 彰 立命館大学, 生命科学部, 助教 (80793819)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 気孔 / コロナチン / ジャスモン酸 / Pseudomonas syringae / Brassicaceae / 共進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
気孔は、外界とのガス交換を担う生育に必須の器官であると同時に、病原菌の侵入経路でもある。植物は病原菌を認識して気孔を閉じる免疫機構を持つが、いくつかの病原菌はこの免疫機構を乗り越える。我々は最近、病原細菌Pseudomonas syringaeが産生する植物毒素コロナチンが、孔辺細胞に特異的に存在するシグナル伝達経路を転用することで気孔を開くことを発見した。興味深いことに、シロイヌナズナはコロナチンに感受性を示す一方で、いくつかの近縁種は抵抗性を示した。本年度は、シロイヌナズナ近縁種が示すコロナチンに対する抵抗性の仕組みの解明を試みた。さらに、昨年度からの継続課題であるゲノム編集技術を用いたコロナチン標的遺伝子のプロモーターの改変に取り組んだ。 シロイヌナズナ近縁種が示すコロナチンに対する抵抗性の分子メカニズムに迫るため、コロナチン標的遺伝子のプロモーター置換実験を行った。その結果、シロイヌナズナとその近縁種におけるわずかなDNA配列の違いが、コロナチンに対する応答性を説明する可能性が示唆された。今後は、どの部分の違いがコロナチンに対する応答性に重要なのか調べていく。 これまでに、コロナチン標的遺伝子の発現誘導に必要な転写因子を同定している。コロナチンによる気孔開口に対する抵抗性を人為的に導入する試みとして、シロイヌナズナのコロナチン標的遺伝子のプロモーターに存在するこの転写因子の結合部位を、2つの異なるゲノム編集技術を用いて改変することに成功した。
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