2018 Fiscal Year Research-status Report
Existence of solutions of free boundary problems of two-phase fluids and their asymptotic behaviors
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17K17804
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
寺澤 祐高 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (90546160)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 二層流体 / 拡散界面モデル / 非局所自由エネルギー / ナヴィエ・ストークス方程式 / カーン・ヒリアード方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は昨年度に引き続き非圧縮性流体の二層流体に関する拡散界面モデルで二つの流体の粘性と密度が異なる場合のモデルについて研究を行った。そのようなモデルには、古典的には、Lowengrub-Truskinovsky modelがあり、そこでは、二つの流体の速度場の密度平均をとった平均速度場を考え、その速度場は非圧縮性を持たない。Abels-Garcke-Gruen ('11)では、二つの流体の速度場の体積平均をとった平均速度場を考えるモデルが考えられており、それは、熱力学的整合性を持ち、その速度場は非圧縮性をもつ。本年は、本モデルに現れる化学ポテンシャルに現れるラプラシアンを分数階ラプラシアンに置き換えて得られるモデルについて、昨年度に引き続き考察を行い、弱解の存在を示した。証明にあたっては、Abels-Bosia-Grasselli('15)による非局所Cahn-Hilliard方程式に関する結果を本質的に用いた。本結果は、Helmut Abels氏(Regensburg大学)との共同研究によって得られたもので、arXivに掲載済みで、学術誌に投稿中である。
また、昨年度に引き続き、二次元外部領域に関する、定常及び非定常Navier-Stokes方程式の解の漸近的性質について、小薗英雄氏(早稲田大学)、若杉勇太氏(愛媛大学)と共同で研究を行っており、Gilbarg-Weinberger ('78)の結果の仮定において、速度場の微分が2乗可積分空間ではなくq乗可積分空間(2<q)に属している場合の結果が得られた。応用として、全空間におけるLiouville型定理を得る事が出来た。本結果についても、arXivに掲載済みで、学術誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Abels-Garcke-Gruen ('11)によって導出された、異なる密度を持つ二層流体の拡散界面モデルにおいて、カーンヒリアード方程式におけるラプラシアンを非局所的な作用を持つ分数階ラプラシアンに置き換えたモデルに関して、弱解の存在定理を得た。これは、当初の研究計画において、得ようとしていた存在定理である。弱解の存在は、陰的差分近似を行うと同時に、方程式において化学ポテンシャルにより高階の微分作用素であるラプラシアンを付け加えることでより解の正則性について扱いやすい方程式を考えることにより得た。これは、当初予定した手法より、簡潔になっており、証明の見通しが良くなっている。
また、当初の研究計画には述べていない研究ではあるが、ここ数年行っている研究で定常及び非定常のナヴィエ・ストークス方程式のリュービル型定理の研究がある。それに関連して、二次元外部領域でのGilbarg-Weinberger ('78)の結果のL^q版を得ることができたのは、特筆すべき成果であると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、非局所ラプラシアンの項を化学ポテンシャルに持つ、異なる密度を持つ二層流体の拡散界面モデルの弱解の存在が得られたため、今後は、この解のより詳細な性質を調べたいと考えている。具体的には、二次元における解の一意性、また、二次元および三次元における解の滑らかさ、時間無限大での解の漸近挙動の解明に取り組んで行く予定である。
また、定常及び非定常のナヴィエ・ストークス方程式のリュービル型定理の今年度の研究から派生した問題として、外部領域でのナヴィエ・ストークス方程式の弱解の無限遠方での滑らかさに関する定量的な研究に取り組んで行きたいと考えている。
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Causes of Carryover |
購入した書籍の値段の総額が使用計画立案時の想定と少し違っていたため。 次年度使用額は、次年度の書籍の購入に当てる予定である。
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Research Products
(9 results)