2017 Fiscal Year Research-status Report
Optimal Placement of Photovoltaic Carports Based on Vehicle Operation Scheduling for EV Sharing
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17K17807
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川島 明彦 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任助教 (10726243)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | EVシェアリング / 車両運用計画 / 太陽光発電 / PVカーポート / 最適配置設計 / 数理最適化 / 計算複雑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題における平成29年度の成果として、①従来のEVシェアリングの最適計画手法の改善、②EVシェアリングにおけるPVカーポート最適配置問題の定式化とその最適計画の効果検証、③データ収集とクレンジングの3点があげられる。それぞれの内容について以下に示す。 ①従来のEVシェアリングの最適計画手法の改善:本研究は、従来のEVシェアリング最適計画手法の拡張によりPVカーポートの最適配置設計を行うため、従来手法の問題点の改善も本研究課題の一部として実施する必要がある。そこで、問題点のひとつである計算時間について、EVの配車実施時間を限定することによって計算時間の削減を達成した。計算量の削減は平成30年度の実施項目3.の内容であるが、平成29年度に前倒しして実施した。この研究成果については国際会議IEEE CCTA2017で発表した。また研究代表者は、実時間シミュレーションを視野に入れ、従来システムにおける利用者への予約受付可否の返答時間を短縮するため、事前判定アルゴリズムを構築した。この成果はSICEシステム・情報部門学術講演会2017で発表した。 ②EVシェアリングにおけるPVカーポート最適配置問題の定式化とその最適計画の効果検証:研究計画通りに従来のEV運用計画問題の定式化を拡張し、PVカーポートの最適配置設計問題として定式化を行った。この成果は平成30年度に国際会議GRE2018にて発表予定である。 ③データ収集とクレンジング:平成29年度は計画通りに実施した。なお、パーソントリップ調査データ(以下、PT調査データ)のデータクレンジング結果については、既存の車使用予測モデルを用いて、人の移動需要に関する時空間分布について車利用に焦点を当てた分析を行った。この成果は、国内学会のSICEシステム・情報部門学術講演会2017、自動車技術会2017年秋季大会、ならびに、国際会議VEHITS2018にて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、「1. サービス利用者の移動需要に係るデータの収集とクレンジング」、「2. シェアリングにおけるPVカーポート最適配置問題の定式化」の2つの研究項目について、研究計画通りに実施し、その進捗状況については概ね計画通りである。平成30年度も計画通りに実施していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、実施項目「1. サービス利用者の移動需要に係るデータの収集とクレンジング」について平成29年度に引き続き実施する。また、実施項目「3. サービス利用者の移動需要に基づくPVカーポート最適配置手法の検証」を当初の研究計画に従って実施する。特に、3.の実施項目については、その最適化における計算時間に問題が発生する可能性が高い。そのため、研究計画書にも記載しているように、IBM ILOG CPLEXやGurobi Optimizerなどの計算が高速な商用ソルバを活用しつつ、最適化の計算時間が問題となった場合には、双対分解(Dual Decomposition)や交互方向乗数法(Alternating Direction Method of Multipliers)、ヒューリスティクスの導入などを検討し、その解決にあたる。
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Causes of Carryover |
平成29年度は、データ保存用の外部記憶装置、ならびに、研究の実施に関わる書籍を購入した。以下、各予算項目について次年度使用額が生じた理由と使用計画である。 物品費については、実験用計算機一式、数理最適化ソルバのライセンスの購入用として予算の申請をしていたが、研究代表者が所属する研究室が保有している研究資産を活用することで現状としては対応可能であったため、次年度使用額が生じた。ただし今後は計算資源の増強や、場合によって別の商用ソルバが必要となる可能性もあるため、平成30年度の研究費と合わせてその購入費用として使用する予定である。 旅費等については、学会発表・研究調査費として予算の申請をしていたが、平成29年度末を目途に計画していた学会発表を実施できなかったため、次年度使用額が生じた。ただし、平成29年度の研究実施内容は、2018年6月に開催予定の国際会議Grand Renewable Energy 2018 International Conference and Exhibitionにて発表予定であり、その経費として使用予定である。その他、平成30年度の旅費等の予算使用については計画通りに実施する予定である。
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