2021 Fiscal Year Research-status Report
Female physicians: exploring the effectiveness of career support initiatives and future challenges
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17K17819
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Research Institution | Toba National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
深見 佳代 鳥羽商船高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90793498)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 労働環境 / 医療・福祉 / ジェンダー / キャリア / 男女共同参画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の成果は以下の4点にまとめられる。 (1)医療人GPの内容と大学病院における女性医師の増加について検討を行った。助成金によるプログラムが女性医師を増加させたという証拠は見いだせなかったが、これらのプログラムが子供を持つ女性医師の地位を向上させた可能性はある。本研究結果はKae Okoshi, Kayo Fukami, Yasuko Tomizawa, Analysis of Social Policy and the Effect of Career Advancement Support Programs for Female Doctors, Women's Health Reports, 2(1) 337-346 2021として公表した。 (2)医学部入試の男女別入学率について全学問分野と比較を行った。女性が男性よりも厳しい入学基準を課されている可能性が示唆された。本研究結果はGender bias in the medical school admission system in Japan, Kayo Fukami, Kae Okoshi, Yasuko Tomizawa, SN Social Sciences, 2(5) 2022として公表した。 (3)スウェーデンにおいても古典的なジェンダー分離が残っている。文献調査を実施したところ、キャリアが進展するにつれて性差別の経験をすることを明らかにするなど学校・職場文化に着目した文献が主要であった。本研究結果はGender Challenges Faced by Female Physicians in Sweden: A Literature Review, Japanese journal of Northern European studies, vol. 18(受理済み、出版準備中)として公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の9月まで育児休業を取得していたため、事実上の研究実施期間は2021年9月から2022年3月までの約半年間であった。現在は復職しているが進捗状況は全体的にやや遅れている。個別の課題については以下の通りである。 (1)女性医師の専門の選択傾向と勤務体制の関係。本課題の成果として公表済みである「女性医師の診療科偏在と地域偏在に関する医療圏分析」『経済論叢』(京都大学経済学会、2021 第195巻1号)において、一部の診療科で女性医師の顕著な増加が観察された。その背景として診療科に特有の勤務体制との関係が予想できる。女性医師が選択する診療科の傾向について分析を進めている。 (2)女性医師支援策の総括。本研究では医療人GPについて特に注力して調べてきたが、医療人GPの予算規模や各大学の施策の多様性を検討する中で、その効果が限定的であることが明らかになりつつある。他省庁や医育機関が取り組んできた女性医師支援についても視野を広げ、女性医師支援策の流れをまとめている。 (3)スウェーデンにおける女性医師の労働環境。スウェーデンにおいても男女格差は依然として観察されるが、それは近年の病院民営化の動きの中で影響を受けたと考えられる。先行研究の整理や聞き取り調査など分析を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は最終受領年度であるため、上で掲げた進行中の課題について可能な限り社会に公表していく。個別の課題については以下のとおりである。 (1)女性医師の専門の選択傾向と勤務体制の関係。現在厚生労働省より取得した「医師・歯科医師・薬剤師調査」をもとにデータベースの整理と集計を行っている。地域別の集計の際には規模に応じて大都市・地方・過疎地に分類する必要があるが、市町村合併などで地域の規模が変化しているため、これに注意しながら分類を行っている。分類が終了次第、女性医師の選択地域と診療科の関係について分析を進めたい。 (2)女性医師支援策の総括。既に公表済みの論文Kae Okoshi, Kayo Fukami, Yasuko Tomizawa, Analysis of Social Policy and the Effect of Career Advancement Support Programs for Female Doctors, Women's Health Reports, 2(1) 337-346 2021において医療人GPに採択された9大学の政策をまとめているが、その他の省庁や医育機関の取り組みについても順次まとめていく予定である。 (3)スウェーデンにおける女性医師の労働環境。現在スウェーデンの若年医師労働組合の助言を得つつ、若年医師への社会保障が欠落している問題などについて情報を収集しているところである。病院民営化という財務上の変化が医師の労務管理や労働時間にいて与える影響について先行研究を中心にサーベイしていきたい。
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Causes of Carryover |
令和3年度は9月まで育児休業を取得していたため、当該年度の研究実施期間は約半年間だけとなり、次年度使用額が生じた。本年度が最後の受領年度であるため、研究結果を可能な限り多く社会に公表するため、出版のために必要な経費として使用していく予定である。
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Research Products
(5 results)