2017 Fiscal Year Research-status Report
Cognitive mechanisms underlying stress prolongation in captive chimpanzees
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17K17828
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山梨 裕美 京都大学, 野生動物研究センター, 特定助教 (80726620)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 長期的ストレス / チンパンジー / 社会関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はヒトにおけるストレス長期化メカニズムを進化的な観点から考察するために、チンパンジーのストレス長期化にかかわる要因をあきらかにするものである。今年度は、チンパンジーの長期的ストレスにかかわる要因として、他個体と築く社会関係性に焦点をあてて検討をおこなった。長期的ストレス指標として体毛中に含まれるホルモン(コルチゾール・テストステロン)を使用し、行動との関連を検討した。これまでの研究からチンパンジーのストレス応答には雌雄差があることがわかっていたため、今年度は特にオスに着目して研究を進めた。京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリにおいて、チンパンジーから採取した毛からのホルモン測定および、行動データの解析をおこなった。結果、オスチンパンジーの長期的ストレス状態には社会関係をどのように築いているのかが大きくかかわっていることがわかった。他個体から攻撃を受ける頻度が高いほど体毛中コルチゾル濃度が高かった。さらに、毛づくろいをする頻度からされる頻度を引いた値を指標に他個体と築く関係性のバランスを評価したところ、その値が大きい個体ほど体毛中コルチゾル濃度が高かった。以上のことからオスチンパンジーにおいて、社会的な関係性をどのように築くのかが長期的ストレス応答に影響していることがあきらかとなった。一方、テストステロンとの関連は今のところはっきりとは見えていない。今後、社会関係以外の個体特性指標を追加して検討することで、長期的ストレス‐社会関係の間に介在しうる要因についてあきらかにしていく予定である。また、今年度は長期的ストレスを評価する手法としての体毛中コルチゾル測定の有用性に関してこれまでの研究をまとめた総説論文も出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は順調に進展しているものの、異動があったことで時間が取れない時期もあった。
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Strategy for Future Research Activity |
異動後の研究環境も整ってきたため、今後は予定通りに研究を進めたい。また、複数の研究者と共同することで、効率よく研究を推進できるように工夫する。
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Research Products
(17 results)