2017 Fiscal Year Research-status Report
70歳,80歳高齢者における口腔機能とサルコペニアについての6年間の前向き研究
Project/Area Number |
17K17844
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
猪俣 千里 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (60755346)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 老年歯科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては,自立した生活を送っている70歳ならびに80歳の高齢者を対象に,6年間の前向き研究を行い,口腔機能が低下していると,サルコペニア(筋肉量,筋力,身体能力の低下)に関連する栄養摂取が不十分となり,サルコペニアの発症ならびに進行に影響を及ぼす,という仮説を検証することを目的としている. 平成29年度は,6年間の前向き研究として76(±1)歳の高齢者について,口腔内診査,口腔機能検査,栄養調査,サルコペニアの評価などを行った.口腔機能検査としては,検査用咬合力感圧シートを用いた咬合力,咀嚼能率検査用グミゼリーを用いた咀嚼能率検査を行った.栄養調査としては,簡易型自記式食事歴法質問票を用いて,1000kcalあたりの食品群や栄養素の摂取重量を算出した.サルコペニアの評価としては,体組成計による筋肉量の測定,握力や歩行の速さを測定した.また,医学検査として,サルコペニアを関連のある疾患の既往について問診し,身体測定やBMIを記録した. 現在データ入力が完了し,今回追跡調査を行えなかった対象者への参加呼びかけの準備とデータ分析を行っている. もし,「口腔機能の低下により,サルコペニアに関連する栄養摂取が不十分となり,サルコペニアの発症ならびに進行に影響を及ぼす」という仮説が明らかとなれば,口腔機能とサルコペニアとの間に栄養摂取が媒介することと,その因果関係が示されることになる.このことで,高齢期まで歯や口腔機能を維持する意義,さらに高齢化社会における歯科の重要性がより明確となる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画より被験者数は少ないが、おおむね計画通りに進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
追跡調査ができなかった対象者について,再度参加を呼びかけ,研究参加の同意の得られた者に対して調査を行う.随時,学会での発表や論文化を計画していく.
|
Causes of Carryover |
平成29年度の調査人数が,予定より下回ったため,次年度使用額が生じた. 平成30年度は,平成29年度に参加できなかった者に再度調査への参加を呼びかけ,追跡調査を行う.さらに,本年度86(±1)歳の高齢者に対し,同様の項目,方法で調査を行う.参加者は500名と予想している.その後成果をまとめ,学会発表や論文作成を行う予定である.
|
Research Products
(1 results)