2019 Fiscal Year Research-status Report
腸内細菌が敗血症における免疫制御機構に与える影響の解明
Project/Area Number |
17K17851
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
坂口 了太 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (50464871)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 重症心不全 / 術後管理 / 補助人工心臓 / 右心不全 / 一酸化窒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年から取り組んでいる新たな後ろ向き臨床研究を進めた。 重症心不全患者における左室補助人工心臓(Left Ventricular Assist Device: LVAD)装着術後の右心不全は予後不良の危険因子として知られている。そのため、術後右心不全予防や治療目的で、一酸化窒素(Nitric Oxide: NO)の投与が行われているが、その減量や中止に関しては、明確な基準やエビデンスがなく、医師の裁量に委ねられている。結果として、NOの使用に統一性がないまま、LVADの術後管理を行っている。 この点に着目し、当院で植込み型LVAD装着術後にNOが投与された患者を対象に、NO中止後48時間以内に投与再開された患者(再開群)と投与されなかった患者(非再開群)の危険因子を後方視的に解析した。その結果、NO中止直前の循環パラメーターのうち、再開群で、中心静脈圧(Central Venous Pressure: CVP)、CVPと拡張期肺動脈圧(Diastolic Pulmonary Pressure; dPAP)の比(CVP/dPAP)が有意に高かった。ROC解析から、曲線下面積は、CVPの方が有意に大きかった。また、NO再開が術後28日の人工呼吸離脱日数の短縮とICU滞在日数の延長に関連することも分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は、2017年度から取り組んでいる植込み型補助人工心臓装着術の周術期管理に関する臨床研究のデータをまとめ、投稿したが、残念ながらアクセプトに至らなかった。アクセプトされなかった理由として、新規性に乏しいこと、統計学的有意差が乏しいことを指摘された。 2019年から新たに取り組んでいる後ろ向き臨床研究を進めた。学内の倫理委員会の審査は終わっており、データの集積を行っている。統計学的解析を行い、今後、国際学会で発表予定である。また、論文化に向けて、準備を行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
植え込み型補助人工心臓装着術後の右心不全をターゲットとした後ろ向き臨床研究を継続し、データ解析を継続する。NO中止後術後右心不全のリスク因子を解析し、論文化を目指す。
|
Causes of Carryover |
英文構成、学術誌への投稿、学会参加の旅費に使用する
|