2020 Fiscal Year Research-status Report
子どもの眠りの問題改善のための双方向的アプリを用いた養育者支援の有効性検討
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17K17855
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉崎 亜里香 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 特任助教(常勤) (90600552)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 小児睡眠 / 認知行動療法 / 養育者支援 / 睡眠健康教育 / IoT / 地域保健 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、前年度までに介入を完了した、睡眠習慣に何らかの課題がある1歳半健診後の児とその養育者を対象とした睡眠習慣データ・アンケートデータ・インタビューデータについて、フォローアップ時点までのデータ取得と入力を完了し、解析を進行した。養育者と養育者が双方向的にやりとりできるアプリを用いた子どもの眠り支援(眠りのリテラシー教育と、生活情報に基づく助言)による、養育者側の認知と行動の変容過程やその影響要因の検証するために、本邦の一般的な養育者の持つ眠りについての認知の実態把握を行い、養育者の行動変容を阻害あるいは促進する要因の整理を行った。アプリで介入を受けた養育者の8割はその後も改善した生活習慣を維持している・もしくはさらに改善していると回答しており、アプリの介入効果によるその後の家庭の様子や、行動変容の持続性等も確認できた。また、約3割の養育者は「周囲の養育者から、子どもの睡眠の悩み相談を受ける側になった」と報告しており、周囲の家庭への波及効果も確認できた。また、本アプリを用いた子どもの睡眠習慣への介入によって、ユーザの家庭生活・社会生活においてどのような側面にインパクトを与えるかを含め、睡眠へ介入することの社会的意義についての貴重な知見を得た。 研究成果として、本アプリの開発とusability/acceptabilityに関する論文を完成し、国際誌に掲載された。また、昨年度までに実施したWEB調査のデータを解析し、Covid-19の影響下およびそれ以前の本邦の乳幼児と養育者の睡眠習慣等の差を検証した結果を論文化し、国際誌に掲載された。今後さらに研究結果をまとめ、「子どもの眠りリテラシー」を本邦の養育者に広く伝え、社会的啓蒙につなげる際の提言を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid-19の影響による大学活動の休止、関連学会・研修会等の中止等により、計画にはやや遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もさらに解析結果の論文化と学会発表を進めて行く。
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Causes of Carryover |
参加を予定していた研修会/学会の中止・延期、国際学会がオンライン開催になったこと等により、次年度使用額が生じた。
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