2020 Fiscal Year Research-status Report
ウガンダにおける南スーダン人とキリスト教信仰覚醒運動:クク人に注目して
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17K17857
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Research Institution | Morioka College |
Principal Investigator |
飛内 悠子 盛岡大学, 文学部, 准教授 (40773411)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | キリスト教 / 南スーダン / アフリカ / 信仰覚醒 / ウガンダ |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、当初8-9月と2-3月の2回行うはずであった調査が両方ともできなかった。そのため、通年前年度の調査成果の整理と、論文刊行に注力した。 難民居住地におけるキリスト教信仰覚醒運動の活動に関する論文を投稿後、5月のアフリカ学会では南スーダンを父祖の地とするクク人が、就業や就学上の理由により故地から距離があり、歴史的つながりが薄かったウガンダ南部へと移住をはじめ、定着し、さらにウガンダ国籍を取る経緯について発表した。その後キリスト教に関する人類学的研究とアフリカのキリスト教に関する研究の読み込みと整理を行い、これまでの調査成果も合わせ、キリスト教が人類学にとって「撹乱者」的存在であることを示した論文と、アフリカのキリスト教研究において信仰覚醒をキーワードとして教派を超えた視点を提示することを目的とする研究ノートを執筆、投稿した。さらに入手していたものの、読み込むことができていなかったアーカイブ資料の整理を行い、それをもとにイギリス国教会宣教協会のアッパーナイル教区という、ウガンダと南部スーダン領域にまたがる教区の設立と分断の経緯について明らかにし、それを通して植民地期ウガンダー南スーダン国境地帯においてキリスト教宣教師団が地域に対しいかなる影響を及ぼしたのか、宣教師団と政府が基本的には反発しあいつつ、しかし時には協力体制をとらざるを得なかった状況にあったことを考察した。そこから植民地政府と宣教師団との関係を見直すことを提唱する論文の執筆を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来なら現地調査を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響で行えなかった一方で、手を付けられていなかった文献整理と読み込み、分析をすることができたため、やや遅れているとしている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の状況次第となるが、2022年2-3月に前年度遂行する予定であった調査を行い、課題を完成させたいと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行により、現地調査が全くできなかったため、旅費使用がなかった。2021年度に調査を行い、そこで使用する予定である。
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