2017 Fiscal Year Research-status Report
新自由主義が教員世界にもたらすインパクト:大阪市の教育改革を事例とした実証的研究
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17K17865
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 瑛仁 大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (30756028)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 教員文化 / 教育政策 / 新自由主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の研究計画では、1)国内外の先行研究の整理、2)インタビュー調査を予定していた。 1)については計画通り、新自由主義的教育改革と教員文化の関連に関する先行研究を整理した。国内では都市圏に一部新自由主義的な改革を実施されていること、一方海外ではアングロサクソン系の国々で様々な事例が蓄積されていることを整理した。教育改革の実施される文脈は国よって異なるものの、教員たちはドラスティックな改革下の中、困難や葛藤を経験する教員が多く観察されている。 2)については計画していたインタビュー調査は進行が遅れているものの、これまでに得られたデータを整理・分析してその成果をまとめる作業を行った。社会経済的に厳しい校区に勤める教員を対象として、彼らが経験する改革の影響と、アイデンティティの葛藤の様相を分析した。今年度できなかった分のインタビュー調査は来年度以降補完する形で調査を行っていく予定である。来年度はインタビュー調査から仮説を生成しアンケート調査の質問項目を作成するが、そうした来年度のアンケート調査の進行には支障はない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インタビュー調査は一部遅れているものの、次年度のアンケート調査に向けた仮説の生成や質問項目の作成は十分に行える状態であり、全体の調査計画の進行には支障はないため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の推進は概ね研究計画と同様に行っていく。 まずインタビュー調査で得られた結果を踏まえつつ、アンケート調査の質問項目を検討し、調査設計を精緻化させる。一部インタビュー調査のフォローアップを行う。 その上で、教員が比較的時間の取れる夏休みの期間に、アンケート調査を実施する。対象校へは、郵送で質問紙を配布し、管理職に各学校10名の教員を任意で選定してもらい、アンケートへの協力をお願いする。アンケートの返却についても郵送で行ってもらう。 調査後は、アンケートを集約し、データ会社にアンケートのデータ入力を依頼する。データが出来上がり次第、順次分析に移っていく。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査の進行が一部遅れ、その分計上していたテープ起こしのための人件費が余る形となった。次年度フォローアップのインタビュー調査を行うので、この分の人件費は次年度執行する予定である。
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