2019 Fiscal Year Research-status Report
問題行動に対する能動的アプローチとしての学級経営方略
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17K17870
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
寺坂 明子 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (10760176)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 学級経営 / 教師 / トレーニング / 小学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題では、教室における行動マネジメントに関する先行研究の知見と、実際に教室で用いられている学級経営方略と児童の反応の関係についての観察研究の結果とを統合し、小学校の教室内での問題を未然に防ぎ、学習への参加を高める能動的な学級経営方略を提案すること、さらに、大学の教員養成課程における講座の実施や協力校での実践を通じて、提案した学級経営方略の有効性を検討することを目的としている。 2019年度は、2017年度に行った教員養成課程の学生を対象とした学級経営法のトレーニングの実践研究の結果を元に、トレーニング内容を改良し、再度実践を行った。講座の受講を希望した教員養成課程の学生19名をランダムに2群に分け、トレーニング群と待機群とで、学生の効力感の変化を比較した。事前の効力感が2群で大きく異なったため、効果の検討を十分に行えたとは言えないが、事前の効力感の高い学生については、待機群では事後に低下しやすく、一方トレーニング群では維持されるか上昇する傾向にあることが示された。これらの結果をまとめ、International School Psychology Associationの第42回大会におけるポスター発表として投稿し、採択された(大会は2020年7月開催予定であったが、2021年に延期された)。 また、2017年度に行った実践研究の結果をまとめ、日本学校心理学会第21回大会においてポスター発表した。さらに学術誌に投稿し、現在修正再審査中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
教員養成課程の学生を対象とした実践研究については計画通り進んでいるものの、観察データに基づく基礎研究について、復職後子育てとの両立でまとまった時間が十分に捻出できておらず、思うように進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、現職教師を対象としたトレーニングとその効果に関する実践研究を行う予定であるが、感染症関係で教育現場が通常通り動けていないこともあり、実践できる場の確保が進んでいない。まずは実践の場を確保することが必要である。次年度はさらに、基礎研究を進めることと、トレーニング内容を改良するためのツールの作成等を行う。
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Causes of Carryover |
復職したもののまだ子どもが幼いため、申請当初予定していた遠方への学会参加ができなかった。
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Research Products
(2 results)