2017 Fiscal Year Research-status Report
粒子線照射による心臓の電気生理学的変化と不整脈治療への応用
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17K17872
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高見 充 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (50793717)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 治療プランニング |
Outline of Annual Research Achievements |
粒子線照射を生体に行う場合に、その効果を最大限とし、かつ副作用を最低限とするために以下のような研究を行った。1.ウサギの粒子線の照射を今後行うために健常のウサギのCT画像データを粒子線医療センターへ送り、治療プランニングの作成の下地とした。CT画像では心臓、食道、肺、脊椎との解剖学的位置関係、皮膚からの距離などに関して詳細に検討を行った。2.近年心臓への放射線、粒子線照射による影響が基礎研究、臨床研究などから報告されており、これらを元に粒子線医療センターのスタッフと連携を取り各臓器への放射線線量の検討、副作用などについて検討を行った。3.粒子線照射の効果を確認する上でウサギを全身麻酔下で開胸し心外膜側にカテーテル電極を接触させ局所電位の波高、時相、伝導時間の解析を行う事が重要となる。ウサギの心臓は小さいため3次元の電気解剖学的マッピングシステムのカテーテルの種類や精度、画像解析法、解像度の設定などについて検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
健常ウサギを兵庫県粒子線医療センターに搬送し心臓に照射を行う予定であるが、照射過多や照射範囲が広範囲となった場合にはウサギの早期死亡のリスクを伴う。このため照射前にウサギのCT画像で詳細な解剖を把握した上での照射を行う方針となった。ウサギの心臓は小さく、どのレベルまで照射を絞ることができるのかどうかは粒子線医療センターの専門知識を持つスタッフと連携を取る必要があり、照射プランニング作成まで時間を要する結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のような理由で研究の進捗状況としては遅れているが、平成30年5‐6月にはCT検査の画像を元にウサギの心臓への粒子線照射を予定している。照射1-2ヶ月後、または著明な心電図変化が起こった時点で電気生理学的変化の検討を行う予定である。全身麻酔下で開胸の準備も完了しており心外膜側にカテーテル電極を接触させ局所電位の波高、時相、伝導時間などを記録し、局所電位の減高/消失、伝導遅延/ブロックなどの評価を行う予定である。これらのデータは3次元の電気解剖学的マッピングシステムとしてコンピュータ上で視覚化する事が可能である。その後、ウサギを安楽死させ心臓、周辺臓器(肺、食道、気管、大動脈など)を摘出し肉眼的変化を観察する。組織学的に心筋細胞の変化、線維化などを検討する予定である。心筋細胞のアポトーシスを確認するためTUNEL法を用いて評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度ではCT画像を元とした粒子線照射の治療プランニングの作成、検討に時間を要し研究進捗としては遅れた状況となった。平成30年度にはウサギの購入、飼育費、そして動物用人工呼吸器関連物品、薬品、ウサギの運搬費用、電極カテーテル購入などのために次年度使用額が生じる結果となった。
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