2017 Fiscal Year Research-status Report
幼児期から学童期の保護者への健康教育支援プログラムの考案と効果検証
Project/Area Number |
17K17873
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
古谷 真樹 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (10725998)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 睡眠 / 健康教育 / 生活リズム / 健康 / 親子 / 幼児 / 小学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
幼児期から児童期の保護者が子どもの生活リズムを確立し、健やかな発達を育むことを教育者が支援する健康教育支援プログラムを考案するために、今年度は現状把握と支援ポイントの検討、および保護者への動機づけを高めるために講演を通して調査の結果をフィードバックした。
国立大学附属幼稚園(3~5歳児)および小学校(1~6年生)の保護者を対象として、親子の生活リズムや心身の健康状態を把握するために調査を行った。結果、子どもの睡眠時間は、4年生を境に9時間より短くなってくことが示され、就床時刻も4年生以降は30分ずつ遅くなっていた。日中の眠気も学年が上がるにつれて強くなっていた。一方で,保護者の睡眠に対する知識は高く、9割が正しく理解していた。中でも、「眠りが足りなかった時は,休日に昼まで眠るのがよい」が間違っていることを94.5%の保護者が理解していたが、休日に朝寝坊をしない親子は50%に過ぎなかった。休日の起床時刻の親子間の相関は高く、親子で朝寝坊をしている家庭も多かった。これらの結果から知識を増やすだけでなく、保護者への動機づけが重要であることが確認された。
保護者が子どもの生活リズムに対してさらに関心を持ってもらうために、幼小合同で保護者を対象とした講演会を行った。調査の結果から現状を知ってもらい、各発達段階で望ましい睡眠時間や生活リズムを整える必要性などについて述べた。さらに、附属小学校の養護教諭と協同で実施している保健の授業を紹介し、保護者に子ども達の支援と協力を求めることで、動機づけを高め実践段階に進むための基盤作りを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、幼稚園から小学6年生の保護者を対象とした親子の生活リズムと心身健康に関する調査を行い、その結果から健康教育を実践するための支援ポイントを検討した。さらに、結果のフィードバックと学校での取り組みを紹介することで保護者の動機づけを高め、次年度以降の実践段階に進むための基盤づくりを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
養護教諭と協同で、幼児期、小学校低学年、小学校高学年の保護者を対象とした各発達段階に即した健康教育支援プログラムを考案する。その効果を検討するために親子で活動量計や生活日誌を記録してもらい、プログラム実施前後での変化を検討する。さらに、実践の様子から継続を促すためのポイントを検討する。
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Causes of Carryover |
理由:当初購入予定だった活動量計が近い将来製造中止になることが判明したため、他の活動量計を購入することにした。購入した活動量計は、当初購入予定の活動量計の半分の価格であったため、未使用額が生じることになった。
使用計画:次年度は国内で開かれる国際学会に加え、海外での国際学会での発表を行う予定である。今年度の未使用額は成果報告を積極的に行うために使用する。
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