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2017 Fiscal Year Research-status Report

原核生物のゲノム編集を拓く「DNAを切らない」拡張Target-AID技術の開発

Research Project

Project/Area Number 17K17879
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

坂野 聡美  神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 学術研究員 (00513160)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2019-03-31
Keywordsゲノム編集 / 遺伝子工学 / 大腸菌
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、DNAを切らずにゲノム編集を行うことのできるTarget-AIDの技術を原核生物に応用・最適化することで、バクテリアDNAを切らずに、高効率かつ簡便なゲノム編集の実現を目的とする。
<基本技術の構築:Target-AIDによる複数遺伝子同時変異導入>
これまでの予備実験より、大腸菌ゲノムにおいて標的とした複数遺伝子内への同時変異導入は、可能であるがその割合は低かった。そこで、ゲノム編集をより効率の良いものにするために、uracil DNA glycosylase inhibitor (UGI)を用いた機能向上Targe-AIDを作製した。それにより、異種6遺伝子の標的部位への高効率な同時変異導入が可能となった。また、4種類のトランスポザーゼ遺伝子は大腸菌のゲノム配列中に41箇所存在するが、それらすべての箇所への変異導入にも成功した。
<評価系の確立:Off-target効果の検証>
UGIを用いることの欠点としては、変異導入効率が上昇するかわりに、標的とする遺伝子以外の部位にも変異が導入されてしまう(off-target)の確率も上昇してしまう点があげられる。このOff-target効果を詳しく検証するために、大腸菌の全ゲノムシークエンスを行った結果、UGIを用いない場合と比較して、10倍程度の変異導入率上昇が見られた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

PCRによるrandom mutagenesisを行い、counter-selection assay等を用いたHyper Target-AIDの単離・同定を行う計画について、適切なスクリーニング法が確立できていないため、スクリーニングがうまくいっていない。また、PmCDA1のdeaminase活性は十分に大きいと考えられるため、Target-AID自体の遺伝子改変はまだ実現していない。そのため、現在の進捗状況として、プラスミド側の改変を中心にTarget-AIDの改変を行い、複数遺伝子同時編集の高効率化を目指した。具体的には、発現系の温度感受性プロモーター導入、UGI-LVAtagの導入を行った。
Off-target効果に関しては、次世代シークエンサーMiSeqを用いた大腸菌の全ゲノム配列解析により、検証を行うことが可能となった。

Strategy for Future Research Activity

<基本技術の構築:Hyper Target-AIDの作製>
引き続き、ゲノム編集をより効率の良いものにするために、機能向上Target-AID (Hyper Target-AID)の単離・同定を行う。具体的には、Cas9の非特異的結合を低下させる変異体や酵素を融合しているリンカー長の改変等による改良を行い、Hyper Target-AIDを作製する。
<他の原核生物にも適用するための、ゲノム編集ツールの汎用性拡大>
構築したゲノム編集技術の汎用性を拡大するために、他の原核生物にも適用できる変異導入ツールへと発展させ、実用化に向けた研究を推進する。
原核生物のなかには、プラスミド自体を導入することが困難な種も存在する。その生物にも本技術を適用できるように、プラスミドを用いない技術の検討を行う。まずは、Target-AIDをプラスミドから発現させた大腸菌株に合成crispr-gRNAを導入し、変異導入することを目標とする。もし、上記の計画通り進まない場合の対策として、放線菌、シアノバクテリア、コリネ菌等、プラスミド導入可能な原核生物に適用できるよう本技術の改良もあわせて行う。それぞれの菌種に対するシャトルベクター、codon usage等を検討しながらプラスミドの改良、導入系の構築を行う。

Causes of Carryover

今年度は、これまでの研究結果の詳細解析と検証、論文執筆・投稿を中心に行っていたため、予算を大きく次年度に繰り越した。
翌年度は、新たに構築した複数の改変Target-AIDについての機能を次世代シークエンサーで詳細に解析することや、大腸菌以外の原核生物におけるTarget-AIDついてのcodon usageを合わせた遺伝子合成、オリゴ合成を行う予定であり、繰り越した助成金を使用する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2018

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] Deaminase-mediated multiplex genome editing in Escherichia coli2018

    • Author(s)
      Banno S, Nishida K, Arazoe T, Mitsunobu H and Kondo A.
    • Journal Title

      Nature Microbiology

      Volume: 3 Pages: 423-429

    • DOI

      10.1038/s41564-017-0102-6.

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Development of deaminase-mediated multiplex genome editing method in Escherichia coli2018

    • Author(s)
      Banno S., Nishida K., Arazoe T., Mitsunobu H., and Kondo A.
    • Organizer
      The 9th International Symposium of Innovative Bio Production Kobe,
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2018-12-17  

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