2020 Fiscal Year Research-status Report
中学校体育における学習意欲を促す動機づけ雰囲気の実証的研究
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17K17881
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
中須賀 巧 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 講師 (10712218)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 体育心理学 / 動機づけ雰囲気 / 学習意欲 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,生徒の学習意欲を促す体育授業における動機づけ雰囲気について,横断的・縦断的な調査による量データと授業介入による実践的な質データを相互補完的アプローチから検討することを目的としている.本研究を推進させることによって,以下の3点を解明することができる.具体的には①生徒の学習意欲を促す体育授業における動機づけ雰囲気について解明できる,②学習意欲の低下を回復・向上させる授業設計や指導方法について,成長段階ごとの特徴が明らかにできる,③中学校3年間を通して学習意欲がどのように変動するのかについて解明できる.さらに,これらの知見をベースに考察を進めることによって,教育現場に実際的な知見を示すことができ,学習意欲向上を意図する指導への一助になることが期待される. 今年度は,縦断データの分析と実践的研究を目指した.体育授業における学習意欲ならびに動機づけ雰囲気,目標志向性に関して中学校3年間の縦断データ(9波のパネルデータ)はこれまでに類のない貴重なデータと言える.体育における学習意欲に関して成長曲線モデルを用いた分析を行ったところ,意欲的側面(学習を促進する側面)は3年間で横ばい傾向であった.これは従来の体育授業における学習意欲研究を支持する結果であった.一方で,回避的側面(学習を抑制する側面)は低下する傾向が認められた.これは横断研究が中心であった学習意欲研究では未確認の新知見である.今後さらに動機づけ雰囲気と目標志向性との関連について分析を進めていく.実践的研究に関しては新型ウィルスによる感染症拡大に伴い,教育機関が閉鎖され、予定していた実践が困難になった.そのため,実践の期間や計画を再考し,新たに実践研究に着手する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度,縦断データの分析と実践的研究を目指した.中学校3年間の縦断データ(9波のパネルデータ)は昨年度までに確実に収集することができ,分析を通して新たな知見が確認できている.今後,学術論文にまとめ広く公表していくところである. 一方,実践的研究に関しては新型ウィルスによる感染症拡大に伴い,教育機関が閉鎖され、予定していた実践が困難になり,研究がやや遅れた.そのため,実践の期間や計画を再考し,早急に新たな実践研究に着手する.
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Strategy for Future Research Activity |
実践的研究に関しては新型ウィルスによる感染症拡大に伴い,教育機関が閉鎖され、予定していた実践が困難になり,研究がやや遅れている.そのため,実践の期間や計画を再考し,早急に新たな実践研究を目指す.
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Causes of Carryover |
(理由) 新型ウィルスの感染拡大防止の観点から,予定されていた学会が中止になり,計上していた学会参加費(その他経費)等が使用されなかった.また実践研究が延期となり,そこでのデータ収集に使用する機材購入(物品費)や映像データ整理に係る人件費(謝金)が未使用となった. (使用計画) 新型ウイルス対策を踏まえた新たな実践研究に着手する.そのためのデータ収集に使用する機材購入費として予定通り計上する.また映像データ整理作業に係る人件費(謝金)を予定どおり計上する.さらに,縦断研究の投稿ならび英文校正,学会発表参加費に必要なその他の経費も予定通り計上を行う.
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