2019 Fiscal Year Annual Research Report
Therapeutic strategies targeting mTOR and FAK for squamous cell lung cancer
Project/Area Number |
17K17887
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
山口 耕介 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (60529402)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | mTOR / FAK |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト肺扁平上皮癌細胞株に対するmTOR阻害剤とFAK阻害剤の併用効果をin vitro及びxenograft mouse modelにより評価した。ヒト肺扁平上皮癌細胞株としてRERF-LCAIを使用した。mTOR阻害剤としてRAD001、FAK阻害剤としてVS-6063を使用した。in vitroの実験としては、cell counting kit 8を用いて細胞増殖抑制効果を検証した。96ウェルプレートを使用し、阻害剤を添加してから72時間後に測定をおこなった。mTOR阻害剤、FAK阻害剤それぞれの単剤と比較して、これらの併用により細胞増殖抑制効果が増強することを確認した。さらに、ヒト肺癌細胞株を皮下移植したヌードマウスに対してこれらの薬剤投与を行い、腫瘍増大速度の比較を行った。RERF-LCAIをヌードマウスの皮下に1.0*10^6細胞接種し、腫瘍形成を確認した。腫瘍容積が100mm^3程度に到達した時点から阻害剤の経口投与を開始し、継時的に腫瘍径を測定し腫瘍容積を計算した。治療群は、無治療群(n=8)、mTOR阻害剤単剤群(n=8)、FAK阻害剤単独群(n=8)、併用群(n=8)の4群とした。無治療群とFAK阻害剤単剤群の間に腫瘍容積の有意差を認めなかったが、無治療群と比較してmTOR阻害剤単剤群及び併用群では腫瘍容積は有意に小さかった。mTOR阻害剤単剤群と併用群について41日目まで治療を継続したが、両群の腫瘍容積に有意な差は認めなかった。本研究ではin vitroで確認されたmTOR阻害剤とFAK阻害剤の併用効果が、マウスの生体では証明できなかった。本研究結果からはこの併用治療が肺扁平上皮癌に有望であると結論することはできなかった。
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