2019 Fiscal Year Research-status Report
ライトフィールドカメラにおけるGPUを用いた高速奥行き推定アルゴリズムの構築
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17K17889
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
三柴 数 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (40609038)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ライトフィールドカメラ / GPU / 高速化 / 視差推定 / 奥行き推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
ライトフィールドカメラにおけるGPUを用いた高速奥行き推定アルゴリズムの構築に向け、当初計画では令和元年度は空間の補間による曖昧さの修正を行い、その後空間補間、奥行き補間、ノイズ除去の統一的な処理について検討する予定であった。 しかし前年度に、一様空間サンプリングを行った場合の計算コスト削減効果と推定精度低下の関係を調査したところ、計算コスト削減効果がわずかであったことに対して推定精度の低下が予想以上に大きく、適応的空間サンプリングにおいても同様の問題が生じることが懸念されたため、結果的に空間サンプリングは実施しなかった。これにより、当初予定していた統一的な処理も困難になった。 そこで令和元年度では、視点サンプリングという新たなアプローチを導入し、LFカメラにおけるGPUを用いた高速奥行き推定アルゴリズムの完成を目指した。結果として、視点サンプリングは大きな計算コスト削減に対して推定精度の低下はわずかであり、場合によってはすべての視点を用いるよりも高い精度が得られた。これは視点の選択において、復元精度向上に寄与すると考えられる視点を優先的に用いたことで、オクルージョンなどの曖昧さに影響を受けにくくなったためであると考えられる。また、従来の手法との網羅的な性能評価を実施し、提案した方法の利点・欠点を明らかにした。 また、本研究の成果を論文としてまとめ、IEEE Transactions on Image Processingに投稿し、採録が決定した。これにより本研究成果を広く知らせる準備が整いつつある状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究のアプローチは当初計画と異なる点はあったが、結果として当初計画で掲げた目的を達成するアルゴリズムの構築が行えた。この点において、計画は順調に進展したといえる。一方で、研究成果をまとめた論文の査読期間が当初予定よりも長い期間となるという外的要因により、令和元年度までには全計画の完了には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、研究成果をまとめた論文の査読が完了し、掲載が決定した状況である。そのため今後は本研究成果を広く知らせるための、ホームページ等における情報公開およびソースコードの公開を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究成果をまとめた論文の査読期間が当初予定よりも長い期間となったため、本年度中に論文が掲載されなかった。そのため主に本年度に使用する予定であった論文の掲載費が次年度使用額として生じた。次年度は主に論文掲載費としてこれを使用し、また本研究成果を広く知ってもらうためのホームページ作成費などにも使用する予定である。
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