2019 Fiscal Year Research-status Report
好中球エラスターゼ阻害薬は放射線照射による致死的肺障害を軽減することができるか
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17K17890
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
玉置 幸久 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (40457099)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 放射線肺障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線肺臓炎の機序と治療法を研究するため、57BL/6Jマウス(10週齡雌)の肺に局所的に放射線照射を行った後、好中球エラスターゼ阻害剤(neutrophil elastase、商品名:シベレスタットナトリウム水和剤)を投与する。肺組織の障害の程度を病理組織学的に評価する。この結果と肺障害およびマウスの生存率との関係を分析する。また生存率の差異から最適な好中球エラスターゼ阻害剤(シベレスタットナトリウム水和剤)の投与時期や 投与回数を明らかにする。肺の組織切片を使用してPCR検査を行い炎症マーカーの変化があるかどうかを検討する 実験群は、A群:線量20 Gyを1回照射、照射終了直後にPBSを腹腔内に投与する。B群:線量20 Gyを1回照射、照射終了直後に好中球エラスターゼ阻害薬(シベレスタットナトリウム水和剤;30 mg/kg)を腹腔内に投与する。C群:線量20 Gyを1回照射、照射終了6時間後に好中球エラスターゼ阻害剤(シベレスタットナトリウム水和剤;30 mg/kg)を腹腔内に投与する。D群:線量20 Gyを1回照射、照射終了12時間後に好中球エラスターゼ阻害剤(シベレスタットナトリウム水和剤;30 mg/kg)を腹腔内に投与する。E群:線量20 Gyを1回照射、照射終了後1週間連続して、好中球エラスターゼ阻害剤(シベレスタットナトリウム水和剤;30 mg/kg)を腹腔内に投与する。各群とも、照射後、1日、2日、1週間後に安楽死させ血液及び組織を取り出す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスの照射にあたり、一度に7-10匹程度のマウスを照射できるようにするための専用のゲージを作成を試みたが、線量の均一性やマウスの固定などがうまくい かず、断念した。また好中球エラスターゼ阻害剤(シベレスタットナトリウム水和剤)を薬品会社に申請したが、製品が他社に譲渡されており、入手するまでにかなりの時間を費やした。学内の相談する相手が、退職され、一時的に相談できる相手がいなくなり、研究が中断した。 別の学内の専門家にお願いし、助言やアドバイスを受けることができる環境となり、研究を再開した。再開後は順調に研究が進んでいるが、当初の最終年度にも関わらず研究が完遂しなかかったため、補助事業期間延長申請を提出し、承認された。
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Strategy for Future Research Activity |
一時、実験は中断したが、その後再開することができ、現在は順調に実験が進行している。研究が完遂しなかかったため、補助事業期間延長申請を提出し、1年の延長が承認された。引き続き実験を継続し、結果のまとめ学会発表につなげていく。
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Causes of Carryover |
途中、実験が停滞していた時期に、物品の購入なども停滞したため次年度使用額が生じた。現在は実験が再開でき順調に進んでいる。研究期間が1年間延長させていただいたため、最終的には概ね当初の予定通りに経費を使用させていただく予定となっている。
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