2017 Fiscal Year Research-status Report
Functional changes of postmortem brain and its effects on MRI image ocntrast
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17K17891
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
西山 祐一 島根大学, 医学部, 助手 (80730598)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 死後変化 / MRI / 金属 / SOD / 温度 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は安楽死させたラットの脳MRI画像を,種々の撮像シーケンスで継時的に取得し(死後0,3,6,24,48時間後),特徴的な信号変化を生じる脳部位を特定することを試みた。研究遂行中,MRI信号は死後の死体静値温度にも影響されるという報告がなされたため,死体を3種類の温度下で静置させた場合のMRI信号変化についても検討を加えた。 全脳領域から信号変化部位を特定する方法としては,統計画像解析の手法を利用した。取得した脳画像の解剖学的形態をコンピュータ上で標準脳形態に変形・統一させ,すべての脳座標のボクセル信号値について統計学的比較を行った。その結果,視床および被殻において特に強いMRI信号の変化を認めたが,この信号変化と死後経過時間および死体静置温度との間の相関性は低かった。現在,MRI画像取得後の脳組織切片に対し,銅や亜鉛などの金属を含有する抗酸化酵素であるsuperoxide dismutase(SOD)を免疫染色によって検出し,SODの発現部位とMRI信号の変化部位が一致するか否かを検討している。また,MRI信号変化量がSOD発現量にどの程度依存しているか検討を進めている。 死後画像と生体画像の画像信号の違いは主として,器質的な死後変化が原因であるとされている。本研究においてMRI信号変化がSOD発現量に強く依存していることが明らかになれば,脳組織の機能的死後変化が死因(病変)と区別されるべき重要な死後変化となり得ることが示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
死体の静置温度がMRI信号に及ぼす影響を検討項目に加えたことで実験量が増加したため,当初予定していた免疫染色への着手が遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の計画通り,免疫染色によるSOD発現部位の特定と,その発現量の定量評価を進める。
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Causes of Carryover |
初年度に計画していた免疫染色が未実施であるため,主にその費用が残った。当該残金は次年度に一連の病理染色に必要な消耗品,抗体などの購入に使用する。また,成果発表のための費用に充てる。
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Research Products
(2 results)