2019 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of mechanisms of health inequalities from life-course perspective and global comparison: strategies to tackle health inequalities
Project/Area Number |
17K17898
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鈴木 越治 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (10627764)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 健康格差 / 社会疫学 / 因果推論 / 疫学理論 / マルチレベル分析 / ライフコース / シミュレーション / メカニズム |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度の研究成果を発展させて,交絡バイアスを調整するために用いられる傾向スコア法に着目して,変数選択法に関する研究を進めた。特に,因果ダイアグラムによる傾向スコアの描出法を新たに示すことで,交絡バイアスを制御するための共変量選択方法と傾向スコアの関連を評価した。因果ダイアグラムによる傾向スコアの描出法について,対立するアプローチを比較検討し,SWIGs(single-world intervention graphs)などの最新のグラフィカルモデルによる理論構築を行った。これらの研究成果を,大西洋因果推論学会(令和元年5月,モントリオール),米国疫学学会(令和元年6月,ミネアポリス)で発表した。健康格差研究の多くは観察研究であるため,そのメカニズム解明に向けた交絡バイアス調整において,これらの理論的知見を活用して変数を選択した研究を実践することが重要となる。 さらに,因果ダイアグラムを用いる際の留意点を詳述した理論論文を発表したことに加え,因果効果を他の標的集団に標準化するための変数選択法について,反事実モデルの観点から明らかにした理論論文を発表した。本研究で得られた理論的知見は,複数の健康格差研究を比較検討する際に特に重要となる。 また,統計学分野の有名な国際学会である国際計量生物学会(北米・カナダ西海岸リージョン)において,因果推論に関する招待講演を行った。これらの研究成果は,健康格差メカニズムの解明に向けた研究理論構築の基盤となるものである。
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