2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a novel light-induced anti-cancer drug using cell-selective penetrating peptides
Project/Area Number |
17K17901
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
赤星 彰也 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 特定事業研究員 (00782773)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 光増感剤 / 細胞膜透過性ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、光で励起し、活性酸素種を産生する光増感剤を内包させた輸送担体を作製し、がんなどの特定の細胞の内部まで効率良く輸送担体を送達し、効果的に治療可能な手法の開発を行うこと、さらに腫瘍担持マウスにおいても同治療効果を発揮可能な新規手法を確立することである。研究期間内には1)種々の光増感剤および細胞膜透過性ペプチドを輸送担体に組み込んだ複合体の作製、2)腫瘍細胞への標的能力の付与効果の確認を主に行った。 1)については本年度も引き続き検討を行い、より高効率に光増感剤を内包可能にするために最適化を行った。輸送担体に組み込む光増感剤の検討および最適化として、輸送担体に組み込んだ光増感剤を平成29年度と同様にゲルろ過法や吸光度測定を行うことで、輸送担体への内包量などを確認した。結果として輸送担体に内包可能なもの(ポルフィリンの誘導体)を3種類見出すことができ、その後の最適化でテトラフェニルポルフィリンが最も効率よく内包されることを見出した。また、光増感剤と同様に組み込む細胞膜透過性ペプチドの配列についても平成29年度に引き続き検討した。細胞膜透過性ペプチドについては3種類を作製・評価した。申請者がこれまでに行っていた研究において、輸送担体に付加することで細胞侵入能が増加したペプチドを選出し、細胞外マトリックスにより切断されるアミノ酸配列を付加した変異型細胞膜透過性ペプチドを作製した。 2)腫瘍細胞への標的能力付与効果については、変異型細胞膜透過性ペプチドを用いて検討した。細胞外マトリックスによる切断を受ける前後での輸送担体の細胞内取り込み量を比較したところ、細胞内取り込み量は一定の効果が得られたが切断を受ける前の変異型ペプチドを用いた際にも一定量の細胞内取り込みが起こっており、この点については切断配列を含むリンカー配列などのさらなる検討が必要である。
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