2019 Fiscal Year Annual Research Report
Organelle dynamics during meiotic maturation of mouse oocytes
Project/Area Number |
17K17905
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
若井 拓哉 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (60557768)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 卵母細胞 / ミトコンドリア / 小胞体 / オルガネラ / カルシウムシグナリング / 受精 / 加齢 / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、卵母細胞におけるオルガネラ局在の生理機能を解明する研究行った。ミトコンドリアと小胞体は、減数分裂過程で細胞内分布が再配置されるが、ミトコンドリアの紡錘体周囲への凝集はATP生産に関与する可能性が示唆された。一方、小胞体の局在は卵母細胞内のCa2+オシレーションに影響した。最終年度である平成31年度は、以下の研究に取り組んだ。 (1)ミトコンドリアの動態制御機構の更なる解明として、ミトコンドリア分裂因子であるDynamin related protein 1(Drp1)に着目し、減数分裂過程におけるDrp1の発現および機能解析を行った。Drp1を阻害した卵では、小胞体やF-アクチンの分布異常が観察されことから、ミトコンドリアの動態は、他のオルガネラの正常な局在に重要であることが明らかとなった。 (2)近年の研究から、ミトコンドリアと小胞体の接触領域(Mitochondria-associated ER membrane:MAM)は、Ca2+シグナルの調節、ミトコンドリアの動態や代謝制御、アポトーシスといった多様な細胞機能に関与することが、体細胞を用いた研究から分かってきた。そこで、卵母細胞におけるミトコンドリアと小胞体間のCa2+伝達機構とその生理的役割について調査した。小胞体から放出されたCa2+オシレーションがミトコンドリアへ取り込まれることを明らかとし、また、Ca2+オシレーションがミトコンドリアのATP生産に寄与していることが明らかとなった。 (3)高齢マウスから採取した卵母細胞におけるミトコンドリアと小胞体の局在を解析した結果、両オルガネラの顕著な凝集が観察された。 以上、マウス卵母細胞において、ミトコンドリアと小胞体はCa2+を介した情報伝達により卵母細胞の機能を支え、これらオルガネラの動態は正常な減数分裂や受精の遂行に重要であることが示された。
|
Research Products
(8 results)