2017 Fiscal Year Research-status Report
カーボンナノチューブセンサーを用いた大規模ACL損傷リスク評価システムの開発
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17K17913
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平田 和彦 広島大学, 病院(医), 理学療法士 (10423352)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 膝前十字靭帯損傷 / カーボンナノチューブ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、カーボンナノチューブ(CNT)歪みせセンサーを使用したACL損傷リスク評価システムを開発することを目的とした。評価システム開発にあたり、まずセンサー貼付位置の調整と、測定の再現性を確認した。また、すでに再現性や妥当性が確認されている三次元動作解析装置(VIcon、Vicon Ssytem社)による運動解析との互換性の確認も行った。 健常男性10名を対象とし(平均年齢23.0±6.0歳、身長175.8±9.2cm、体重65.8±9.2kg)、膝関節屈曲30°、60°、90°での膝関節最大外反運動をCNT歪みセンサーと三次元動作解析装置により測定を行った。 結果として、CNT歪みセンサーによる膝外反運動の測定の再現性は全ての角度においてICCが0.973~0.999と非常に高い再現性を示した。これによりCNT歪みセンサーは、膝関節の運動解析において精度の高い測定が可能であることが確認できた。 また、三次元動作解析装置による測定との互換性について、測定時のイベントの同期は非常に正確に得られていたものの、センサーより得られた値と動作解析装置により得られた値は有意な相関は示さなかった。この要因として、CNT歪みセンサーにより得られる伸び率が、三次元動作解析装置より得られる角度データを反映する条件が限られている可能性があり、センサーの貼付位置やセンサー自体の改良が必要と考え、現在調整中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、CNT歪みセンサーを使用したACL損傷リスク評価システムの開発を行った。CNT歪みセンサーを使用したACL損傷リスク評価システムの機能評価として①再現性の評価(級内相関係数)と②三次元動作解析装置により得られた角度との互換性の評価を行った。対象は健常男性10名とした(平均年齢23.0±6.0歳、身長175.8±9.2cm、体重65.8±9.2kg)。 結果として、①再現性はICCが0.973~0.999と非常に高い再現性を示した。②の互換性について、測定時のイベントの同期は得られていたものの、センサーより得られた値と動作解析装置により得られた値は有意な相関は示さなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
CNT歪みセンサー評価システムの精度をより高めるため、今後はまず新たなCNTセンサーの使用を試みる。また、ランドマークの調整などを実施し、三次元動作解析装置との互換性検証を再度実施する。得られた値を分析し、最適な条件を決定次第、試作品の作成を行う。
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Causes of Carryover |
CNTセンサーに関しては、次年度により精度の高いセンサーの購入が可能となることが判明したため、本年度は当院で保有していた従来のセンサーのみを使用して実験を行い、今年度は新たなセンサーの購入を予定している。会議についても日程の調整が困難であったため、オーストラリア訪問は平成29年度はできなかったが、平成30年度は訪問が決定している。
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