2017 Fiscal Year Research-status Report
A basic study on the method of effective and efficient teaching of the skill for the technology literacy
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17K17915
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
木村 彰孝 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (50508348)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ものづくり / 技術 / 材料と加工 / 技能 / 脳活動 / 視線 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では「材料と加工に関する技術」の技能面の指導について、理解・習熟度を客観的に評価する手法として思考・意識に関連する前頭前野の脳活動に着目し、それを用いた理解・習熟度の評価手法を確立することに加え、指導法の評価への適用を行う。加えて、技能の効果的・効率的な指導法の提案し、その有効性を授業実践により評価する。 そのうち、1年目である平成29年度は、研究項目(1)前頭前野の脳活動を用いた技能の理解・習熟度の客観的な評価手法の確立、研究項目(2)技術教育における技能の指導法に関する実践例の調査、を行った。 研究項目(1)では、研究代表者の既往の研究で評価対象としたのこぎり挽きと比較して、学習内容・ポイントが少なく、身体、特に頭部の動きによる生体反応への影響が少ないことから、今年度はきりを用いた穴あけ加工に着目し、実験を行った。経験の異なる被験者を用い、加工時の前頭前野の脳活動や視線・身体の動きを測定し、加工の難易度・達成度などの主観評価を行うことで、きりによる穴あけ加工技能の習熟度の違いが前頭前野の脳活動と視線の動きに与える影響について、主観評価や加工精度との関係性も含めて検討した。その結果、前頭前野の脳活動の指導法の評価への適応の妥当性に関する有益なデータを得ることができた。 研究項目(2)では、技術教育で扱われる内容のうち木材加工技能について着目し、論文や発表要旨、実践報告、教科書等から技能の指導法や教材・教具に関する事例を収集した。本調査を基に次年度以降の研究内容を構築する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究の中で検討課題となっていた前頭前野の脳活動の指導法の評価への適応の妥当性について、道筋をつけることができた。加えて、次年度以降の研究に向けてベースとなるデータや情報を収集することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に引き続き、前頭前野の脳活動を用いた技能の理解・習熟度の客観的な評価手法に確立を目指し、更なる検討を進める。特に平成30年度は身体の動きが少なく、生徒により理解・習熟度の差が大きい技能を対象とし、前頭前野の脳活動の指導法の評価への適応の妥当性を実験により検証する。その後、上記で確立した評価法を用い、木材加工の技能に関する既存の指導法の評価を行い、既存の評価法と比較することで前頭前野の脳活動の指導法の評価への適応の妥当性を実験により検証する。
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Causes of Carryover |
その他として計上していた測定機器のレンタル費用が不要となったため次年度使用額が生じた。次年度使用額は翌年分と合わせて実験に用いる供試材料等の物品費と事例調査の旅費に充てる予定である。
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