2018 Fiscal Year Annual Research Report
Are rare sugars potential leads for malaria eradication?
Project/Area Number |
17K17926
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
田中 健 香川大学, 医学部, 助教 (60750023)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | マラリア / 薬剤スクリーニング / 希少糖 |
Outline of Annual Research Achievements |
希少糖の1種は熱帯熱マラリア原虫の蚊体内期の発達を阻害する。本研究は、希少糖がヒト体内期の原虫に効果を示すか否か、および、蚊体内期の発達阻害は「グルコース・トランスポーターの阻害によるエネルギー不足が原因」という仮説を検証することを目的としている。まず、希少糖の抗マラリア効果と抗生殖母体効果を観察した。培地中のグルコース濃度は11.1 mMであり、それとほぼ同等の10 mMという高い濃度の希少糖を追加して薬剤試験を行った。抗マラリア効果については8種、抗生殖母体効果については7種の希少糖を評価したが、糖を追加しない培養液や、同濃度のグルコースやフルクトースを追加した培養液と同様の原虫シグナルを示した。したがって、これらの希少糖はヒト体内期の原虫に対するリード化合物としては有望でないことが明らかとなった。また、原虫のグルコース取り込みを阻害するか否かをHPLCにより観察したが、評価された3種は阻害活性を示さなかった。ヒト体内期の原虫はグルコースを主なエネルギー源としているため、グルコース・トランスポーターの阻害は原虫を殺滅する。原虫の殺滅とグルコース取り込み阻害が観察されなかったことから、今回評価した希少糖は原虫のグルコース・トランスポーターを阻害しなかったと考えられる。抗原虫試験とグルコース取り込み阻害試験の両方で評価された3種の希少糖中の1種は原虫の蚊体内期の発達を阻害する。本研究により、原虫蚊体内期の希少糖による発達阻害は、当初の仮説であった「グルコース・トランスポーターの阻害によるグルコース不足が原因」ではない可能性が提起される結果となった。一方で、評価した中の1種は、抗生殖母体試験において酸化還元指示薬であるalamarBlueの還元を阻害し、この希少糖が原虫内において何らかのタンパク質の活性を阻害することが明らかとなった。
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