2017 Fiscal Year Research-status Report
メタゲノム解析を用いた菌血症における病原菌の患者内多様性の解明
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17K17933
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
後藤 恭宏 九州大学, 医学研究院, 助教 (20558358)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 菌血症 / クローン / 遺伝的多様性 / メタゲノム / ハプロタイプ |
Outline of Annual Research Achievements |
血液培養が陽性となった血液検体は一定期間保存されている。次の3条件に基づいて解析対象を選定した; (1) 確実に感染症と診断、(2) 臨床検査で単一菌種が分離、(3) コンタミネーションが否定。様々な原因菌が網羅された100検体を選定した。この選定した血液検体から、ヒトDNAの混入を避け、細菌由来のDNAが多く含むDNA試料を調製した。具体的には、保存検体から低速遠心でヒト由来成分を取り除き、その上清を遠心して選択的に細菌を回収する。この試料はヒトDNAを選択的に除去できるDNA精製キットを用いて、細菌DNA を精製した。この原因菌DNAをエンリッチさせたDNA試料は、イルミナシーケンサ用ライブラリを調製し、シーケンス解析は、原因菌種の推定ゲノムサイズの300倍のデータ(150 bpのペアエンドシーケンス)を取得した。取得したリードデータは、公開されているヒトゲノム配列にBWA プログラムを用いてマッピングし、非マップリードペアのみを抽出した。さらに、哺乳類の配列データベースに対して相同性(blat プログラム)が見られたリードペアは全て除外し、確実に細菌由来と考えられる配列だけを解析に使用した。一塩基多型(SNP)や塩基配列の挿入/欠失(InDel)等の遺伝的多様性を特定するには、参照ゲノム配列が必要である。ゲノム配列データが公開されている菌株は、実際の解析対象とする菌株と遠い遺伝的関係にあり、高精度な遺伝的変化の検出が望めない場合が多いと予想されたので、メタゲノム配列データをアセンブリ(Platanus プログラム)してドラフトゲノムを取得し、これを参照配列としてメタゲノム配列をマッピング解析(BWAプログラム)した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画のとおり、検体の選定からシーケンス解析まで順調に進んでいる。現在、配列の情報解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画にしたがって進める予定である。
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Causes of Carryover |
シーケンス解析に関わる試薬の購入するタイミングを、翌年度に変更したため。
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