2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of solution-processible highly crystalline organic semiconductor materials using reversible complexation of boron atom and their applications
Project/Area Number |
17K17937
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松尾 恭平 九州大学, 稲盛フロンティア研究センター, 特別研究員(SPD) (00778904)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 有機半導体 / ホウ素 / 有機発光ダイオード |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに温和な条件でホウ酸チオエステルを有する多環骨格を一挙に構築する合成法を見出した。この合成では、合成の最終段階でホウ素原子を導入するため、不安定な有機ホウ素化合物を取り扱う必要がないという利点ももつ。一方、得られた骨格の電荷輸送材料としての特性が期待していたよりも悪く、当初目的とした有機電界効果トランジスタや有機薄膜太陽電池への利用に適さないことがわかった。そこで、電子アクセプターとしての特性を利用して、ドナー・アクセプター型構造をもつ熱活性化遅延蛍光材料の開発に展開した。電子ドナーとしてアミン骨格を導入した誘導体は、固体薄膜状態において、高い発光量子収率および良好な熱活性化遅延蛍光特性を示した。また、硫黄を酸素原子にかえたホウ酸エステル誘導体を合成し、発光特性を比較したところ、発光波長の短波長化が確認された。一方、発光量子収率の低下がみられ、ホウ酸チオエステルの方が優れた熱活性化遅延蛍光特性を示した。ホウ酸エステル誘導体では、アクセプター部位に由来する三重項局在励起状態のエネルギーが低いことが問題であったため、パイ共役系を縮小したホウ酸エステル誘導体を用いることで発光量子収率および熱活性化遅延蛍光特性の向上に成功した。またこれらの材料を用いることで高い効率を示す有機発光ダイオードの開発に成功し、ホウ酸チオエステル誘導体では約20%の外部量子効率を達成した。一方、ホウ酸エステル誘導体ではより青色の発光を示し、約12%の外部量子効率を示した。
|