2018 Fiscal Year Research-status Report
Switch-Asia: An EU strategy on diffusion of Green Certification and Eco-labeling
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17K17945
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡邉 智明 福岡工業大学, 社会環境学部, 准教授 (00404088)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Swith-Asia / 環境認証 / EU / エコラベル / 公共調達 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、本研究課題の目的のうち、EU公共調達においてプライヴェートな環境認証をいかに活用しようとしてきたか、その政策過程におけるアクターの動向を明らかにするという点については、これまでに収集した資料の分析を終えることができた。 加えて、前年度の作業において明らかになった、EU(欧州連合)の域内標準化政策というよりも、EU開発政策・環境政策とSwitch-Asiaプログラムの関連性が見られるのではないかという、知見をもとに、調査を行った。 上記の点に関して、具体的な作業としては、関西の国立国会図書館における関連資料の収集を行った。また、ドイツ・デッサウのドイツ環境省図書館、およびベルギー・ブリュッセルのEU中央図書館、さらには、持続可能な生産と消費、Switch-Asiaに関して積極的に関わっている、ドイツ・ブッパータール研究所において文献資料調査を行った。ブッパータール研究所においては、前所長のPeter Henicke博士と面会し、同研究所の関連文献に関して助言を得るととともに、持続可能な消費と生産に関してドイツ国内の事情について有益な知見を得ることができた。 これらの作業と並行して、この研究成果の一部を日本国際政治学会(2018年10月、於埼玉市)部会「グローバル・ガバナンスの最前線」において報告し、参加者との討論を通じて有益な示唆を得ることができた。また、2019年日本平和学会春季大会(福島大学)において「持続可能な生産の消費(SCP)アプローチの位相」というテーマで報告(決定済)を予定しており、報告に向けて現在論文にまとめる作業を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度は、新たに職場が変わり、大学を異動したため、特に年度前半において研究に十分な時間を割くことができず、年度後半の聴き取りをはじめとする作業に関して準備が不十分な点が多かった。資料面においては、特に開発政策に関連したEUの戦略性に関わる資料が、当初予期していたものより限定された範囲でしか収集することができなかった。実証面においては、関連資料の収集に一定程度の成果を得たが、資料の分析や競合する説明の有効性を踏まえた検証など分析面においては、次年度に向けて、一部積み残した作業がある。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である2019年度においては、まず6月に予定されている学会報告およびそれに対する応答を踏まえて、EU-Switch Asiaの戦略性の位相に関して提起した説明・分析の妥当性に改めて確認する作業を行うこととしたい。 また、前年度に引き続きヨーロッパにおける資料収集や関係者に対する聴き取り作業を行う予定である。2019年度は、特に、前年度必ずしも十分な資料をえられなかった開発政策に関連した部分に注力して行いたいと考えている。そして、これら一連の作業を踏まえて、最終年度のまとめとして、EU-Switch AsiaにおけるEUの対外戦略の背景に関する論文を刊行したいと考えている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては、主に以下の3つである。第1に、2018年度より、大学が異動したことにより学内業務等の関係で、当初予定していた海外での国際学会出張を取りやめざる得なかった。第2に、当初予定していた備品の購入を大学研究費において賄うことができた。第3に、発注していた洋書籍の発送が、4月以降にずれ込んだために、次年度経費において処理する予定となったことである。 次年度においては、今年度の状況を踏まえて、まず従来の研究計画にあるように、引き続き欧州出張を行う。加えて、今年度行うことができなかった国際学会における発表に関わる旅費、英文校正に関わる支出を予定している。以上の計画を行うことで、当該年度内において適切かつ余剰なく予算を使用し、研究成果を公開することができると考えている。
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Research Products
(2 results)