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2019 Fiscal Year Research-status Report

発展方程式の解に対する指数関数行列を用いた精度保証付き数値計算法

Research Project

Project/Area Number 17K17948
Research InstitutionSaga University

Principal Investigator

木村 拓馬  佐賀大学, 理工学部, 准教授 (60581618)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2021-03-31
Keywords精度保証付き数値計算 / 数値計算 / 数値解析 / 微分方程式 / 発展方程式
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は,発展方程式の解の存在範囲もしくは一意存在の範囲を特定する精度保証付き数値計算法の開発である.解の存在を示し数値解の誤差を厳密評価することで解の存在範囲を特定することができる.
まず,昨年度に投稿した初期値境界値問題の数値解に対する誤差評価法の論文の修正版が国際的な査読付き学術誌に受理され掲載された(https://doi.org/10.1007/s13160-019-00362-6).加えて,昨年度の研究成果である周期境界値問題の数値解に対する誤差評価法についての論文を国際的な査読付き学術誌に投稿し掲載受理された(https://doi.org/10.1016/j.cam.2019.112510).
そして今年度は,線形放物型偏微分方程式の周期境界値問題の数値解に対する誤差評価法について新たな成果が得られた.上述の論文で発表した周期境界値問題に対する誤差評価法は,周期条件をみたす特別な初期値問題を考えることで初期値境界値問題に対する手法を周期問題に応用・拡張し得られたものであり,その後の研究により改良の余地があることがわかった.そこで,初期値問題に対する定理の応用を廃し,周期条件を用いて初めから証明しなおすことで,これまでの成果よりも理論的に高精度でシンプルな事前誤差評価式が導出できた.さらに,初期値に対する評価と初期値問題に対する手法とを組み合わせることで,ある時刻における誤差のノルム評価という意味でのpointwiseな誤差評価式が導出できた.これらの成果について国内の研究集会で発表を行った.そして,さらに修正を加えた最終版を国際的な研究集会で発表する予定であったが,新型コロナウイルスの感染拡大により中止となり成果発表の機会を逸している.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本課題の具体的な目標は,「非線形放物型偏微分方程式の初期値境界値問題に対する解の存在証明と数値解の誤差評価法」「放物型偏微分方程式の時間周期解に対する解の存在証明の例を示す」の2点である.
今年度は主に前者について研究を進める計画であった.しかし結果としては後者についての研究を想定より大きく進めており,国際的な査読付き学術誌に論文2編が掲載・掲載受理され,さらに機会を逸したものの国内学会や国際的な研究集会で発表できる成果を別途に得られている.
計画とは異なるものの本研究課題に関する業績と成果が新たに得られており,計画以上とも遅れているとも言い難い進捗状況にあるため,おおむね順調,の区分を選択している.

Strategy for Future Research Activity

本来は最終年度であったが,新型コロナウイルスの感染拡大により成果発表の機会が失われたため事業期間を延長している.
今後はこれまでの研究成果について数値例の充実を図るとともに.学会等や国際的な査読付き学術誌での成果発表を計画する.
また,他が計画外に進んだため未完となっている非線形問題についてもできるだけ研究を進め,本研究課題の当初計画以上の完成をめざす.

Causes of Carryover

新型コロナウイルスの感染拡大により,年度末に参加・研究発表を予定していた学会等が中止となり,旅費に未使用額が生じた.
次年度使用額は学会等に参加するための旅費等として有効に使用する.

  • Research Products

    (3 results)

All 2020 2019

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Constructive error estimates for full discrete approximation of periodic solution for heat equation2020

    • Author(s)
      Kimura Takuma、Minamoto Teruya、Nakao Mitsuhiro T.
    • Journal Title

      Journal of Computational and Applied Mathematics

      Volume: 368 Pages: 112510~112510

    • DOI

      10.1016/j.cam.2019.112510

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Constructive error analysis of a full-discrete finite element method for the heat equation2019

    • Author(s)
      Hashimoto Kouji、Kimura Takuma、Minamoto Teruya、Nakao Mitsuhiro T.
    • Journal Title

      Japan Journal of Industrial and Applied Mathematics

      Volume: 36 Pages: 777~790

    • DOI

      https://doi.org/10.1007/s13160-019-00362-6

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 線形熱方程式の時間周期解に対する近似解の事前誤差評価について2019

    • Author(s)
      木村 拓馬, 皆本 晃弥,中尾 充宏
    • Organizer
      第3回 精度保証付き数値計算の実問題への応用研究集会 (NVR 2019)

URL: 

Published: 2021-01-27  

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