2018 Fiscal Year Research-status Report
肺指向性ナノパーティクルPNAG-DNAワクチンによる肺感染症の発症/重症化予防
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17K17950
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
賀来 敬仁 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (40770491)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 重症感染症 / 肺炎 / ワクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
黄色ブドウ球菌ATCC株からcDNAを抽出し、PCRを施行した。増幅産物を1%agarose gelで電気泳動し、目的とする増幅産物が得られたことを確認して精製を行った。精製後に制限酵素で切断し、プラスミドベクターにライゲーション反応で連結した。大腸菌導入してプラスミドを増幅した。大腸菌から抽出したプラスミドについては、PCRを行い電気泳動でPNAG-DNAを組み込んだプラスミドが増幅されたことを確認した。このPNAG-DNAプラスミドを用いてPNAG-DNAワクチンが生成で きた。精製したPNAG-DNAワクチンをESBL-Kpn肺炎マウスモデルに投与したところ、死亡までの平均時間がControlで38.0±4.9時間であったのに対して、PNAG-DNAワクチン投与群では58.0±27.8時間と生存期間を延長できた。今回の検討ではESBL-Kpn肺炎マウスモデルにおいて生存期間を延長したため、ワクチンの投与効果はあったと考えられる。しかし、感染108時間の時点で生存率が0%となったため、救命するまでの効果は認められなかった。マウスに高菌量を投与して作成する肺炎マウスモデルであったことが影響していると考えられたため、マウスへの投与菌量を減らして検討したところ、感染120時間後のcontrolの生存率が12.5%であったのに対してPNAG-DNAワクチン投与群は37.5%と高い生存率を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PNAGワクチンを精製するのに時間を要したが、重症感染症マウスモデルにおける検討まで行うことができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、PNAG-DNAワクチンに最適なベクターの選定を行うとともに、適切な投与方法についての検討も必要である。
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Causes of Carryover |
PNAG-DNAワクチンの作成に用いるベクターについて、購入予定であったベクターが欠品していたため、本年度の購入を見送った。次年度に購入可能なベクターを選定・購入し、他のベクターを用いた検討を行う予定である。
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