2019 Fiscal Year Annual Research Report
Acute anti-inflammatory effects and long-term prognostic benefit of colchicine in acute myocardial infarction
Project/Area Number |
17K17956
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
藤末 昂一郎 熊本大学, 病院, 助教 (10779151)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 心筋梗塞 / コルヒチン / インフラマソーム / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
心筋梗塞における抗炎症戦略が待望されているが、未だ有効な抗炎症療法は確立していない。本研究では冠動脈結紮心筋梗塞マウスモデルにコルヒチンを投与することで、急性期心筋梗塞領域の炎症性サイトカインと NLRP3インフラマソームのmRNA発現の抑制、梗塞範囲を抑制し、慢性期の生存率、心不全発症率、心機能低下の改善がみられた。以上からコルヒチンは梗塞心筋局所の過剰な炎症を抑制 し、梗塞サイズを縮小させることにより慢性期にわたって心機能を保持し予後を改善させる可能性が示唆された。また、全身の炎症反応と心筋局所の炎症反応を検証した結果、コルヒチンはコルヒチンは全身ではなく、梗塞部位局所の炎症細胞集簇と活性化を抑制することが示された。 平成29-31年度計画において、コルヒチンによるNLRP3活性化制御メカニズムの解明のために、NLRP3ノックアウトマウ スを米国から購入し、繁殖させて用いる 予定であったが、当初の計画通りマウスの購入、繁殖がすすまなかったため、細胞でNLRP3阻害薬を用いた実験系に変更した。しかし、NLRP3阻害薬の選定、投与濃度決定のための予備実験が難航し、それ以降の本実験にとりかかることが困難であったため、未だ心筋梗塞におけるコルヒチンのNLRP3インフラマソームを介した有効なメカニズムの検証は不十分である。本助成期間は終了となったが引き続きメカニズム解明を進めていく予定である。
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