2019 Fiscal Year Annual Research Report
Distribution and Dynamics of Vitamin A in Vocal Fold
Project/Area Number |
17K17957
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
西本 康兵 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (60535590)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 声帯 / ビタミンA / 星型細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
動物(ラット)を用いて経口的にビタミンAを投与し、その体内動態・各臓器への分布をクロマトグラフィーで測定し、各タイムポイントにおけるビタミンA関連タンパク(星型細胞のマーカー、肝臓から血中に放出されたビタミン A とビタミンA輸送蛋白の複合物に対する受容体Stimulated by retinoic acid 6、細胞内でのビ タミンA輸送蛋白であるCellular Retinol Binding Protein 1、リポ蛋白リパーゼの局在と発現量について免疫染色およびウェスタンブロットで評価した。ビタミンAとして、αレチノールを投与した。αレチノール はアルコール型ビタミンAの輸送タンパクであるRBP(retinol binding protein)と結合しない性質をもち、そのため、腸管での吸収直後に脂質とともにカイロミクロンによってのみ輸送され、一旦貯蔵されるとその臓器に留まり代謝される。経口的に投与されたビタミンAは3時間で血中に出現し、エステル型ビタミンAとして声帯を含む種々の臓器に分布された。 声帯では貯蔵されたビタミンAはその他の臓器と比較して素早く代謝されていることが判明した。ビタミンAの貯蔵細胞である声帯星型細胞において、アルコール型ビタミンAの輸送タンパクを含む各種のビタミンA関連タンパクは全て発現しており、 同様に、声帯粘膜、声帯筋、軟骨においても発現が見られた。 以上の結果からエステル型のほか、 アルコール型ビタミンAの取り込み能もあることが示唆された。 正常声帯のみでなく、声帯瘢痕におけるビタミンAの動態を見るためラットを用いた声帯瘢痕モデルを作成したが、十分な組織量が採取できずに定量評価に至らなかった。 その結果をまとめ、Journal of Physiologyに投稿中である。
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