2017 Fiscal Year Research-status Report
ユーザ・センタード・エンジニアリング教育のための学習効果測定手法の開発
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17K17972
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Research Institution | Osaka University of Arts |
Principal Investigator |
木塚 あゆみ 大阪芸術大学, 芸術学部, 特任講師 (60510584)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ユーザ・センタード・エンジニアリング / 学習効果測定 / 教育工学 / 情報システム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は「参加型教育プログラム」の開発を行った。まず室蘭工業大学enPiTプログラム受講生(室蘭工業大学、千歳科学技術大学の学部3年生)向けのプログラムを開発し、2017年9月7日(木)から9月9日(土)に実施した。この学習者の特性として、教員やステークホルダーが求めるレベルのアイデアが出ないことが問題の一つである。例えば通路が汚れているからキレイにするとか、A商店街を知ってもらうためのポスターを制作するとか。A商店街にある問題は把握できているのだが、現状の「改善案」であり本質的な問題解決に至っていないのである。問題解決のバリエーションが少なく、常識的な枠に囚われたつまらないアイデアばかり出てしまう。新しい「参加型教育プログラム」では、未来の架空の世界について考えてもらうことで現実の問題に囚われない拡散的な発想にさせることができた。 このプログラムの最後にはこの「参加型教育プログラム」のために開発した「学習経験の外化ツール」を用いて、学習効果の向上に取り組んだ。短期集中型の演習のため60分程度で学習者が自らの学習を振り返りができ、学習効果を測定できるUser Experience Mapを開発した。結果「チームで活動の楽しさ」「自分の学んだユーザビリティと違った」「もう少し時間が欲しかった」など学習者の経験を実践者が理解することができた。 同様に、公立はこだて未来大学enPiTプログラム受講生のうち北海道情報大学の学生に向けた、非現実の世界であるSFをテーマにした「参加型教育プログラム」を開発し、2017年8月22日~24日に実施した。ここでも60分程度でチーム単位で振り返るための「学習経験の外化ツール」を開発し、学習者の経験を可視化することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最大800文字(1600バイト)、改行は5回まで入力可。 平成29年度の研究計画として、国内外でのUCEスキル教育プログラムの実践例を調査し、問題分析し、「参加型教育プログラム」を実施する予定であった。調査対象のうち、まだ京都大学および九州大学での実践事例での調査は行っていない。当初、平成30年度に実施する予定であった「学習経験の外化ツール」の設計のおおまかなフレームワークは作成済みである。
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Strategy for Future Research Activity |
最大800文字(1600バイト)、改行は5回まで入力可。 平成29年度に実施予定だった京都大学および九州大学での実践事例での調査を行う。それに基づいてHRDサイクルモデル(堤ら,2007)に当てはめて事例ごとに比較する。さらに本研究で開発した「参加型教育プログラム」の事例と比較する。さらに「学習経験の外化ツール」を使った実践データを集め、「参加型教育プログラム」の学習効果を評価していく。
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Causes of Carryover |
調査研究協力者への人件費・謝金について、当該調査研究協力者への協力が得られなかったことから次年度使用額が生じた。次年度は別の調査研究協力者を探し、調査分析等を依頼する予定である。
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