2022 Fiscal Year Annual Research Report
Dynamic analysis of fiscal policy, deregulation/privatization policy
Project/Area Number |
17K17975
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
高尾 築 龍谷大学, 経済学部, 講師 (10755680)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マクロ経済学 / 産業組織論 / 市場構造 / 財政政策 / 規制緩和 / 民営化 |
Outline of Annual Research Achievements |
1点目の研究目的は, 新規企業の参入退出行動と既存企業の投資活動を同時に考慮した動学的一般均衡モデル(具体的にはStep-by-step型内生成長モデル)に基づいて, 企業参入費用の低下がもたらす経済成長率・経済厚生への影響を解明することである. 当該年度の進展として, 前年度に引き続き, 政策変更前において財市場競争が熾烈でない場合, 参入費用の下方誘導はトレンド経済成長を高められるが, 同時に経済変動の不安定化を招く結果についての頑健性について精査した. 2点目の研究目的は, 公企業と民間企業が競合している混合寡占市場のオープンループナッシュ均衡解とマルコフ完全ナッシュ均衡解の特徴付けを行い, 各均衡解における公企業の民営化政策の政策含意を導出することである. 主要結果として, マルコフ完全ナッシュ均衡解における最適民営化度合いが, 他均衡概念における結果と比較して, 顕著に高くなることを明らかにしている. 当該研究は, Journal of Public Economic Theory誌に2019年9月に公刊されており, 既に当初目標を完全に達成している. 3点目の研究目的は, 新規企業の参入退出行動と既存企業の投資活動を同時に考慮した動学的一般均衡モデルに, 労働市場における摩擦を導入することで,Blanchard and Giavazzi (2002, Quaterly Journal of Economics)で指摘されるような財市場と労働市場間での相互作用を明示的に考慮できるモデルに拡張し, 財市場競争政策および労働市場政策の政策含意を導出することである. 均斉成長経路となるモデルをうまく構築できず当初目標を達成できなかった.
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