2019 Fiscal Year Annual Research Report
The significance of high claudin expression in ovarian cancer
Project/Area Number |
17K17981
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
小島 学 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (30746970)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 子宮内膜癌 / シグナル伝達 / 核内受容体 / クローディン / エストロゲン受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
分子生物学的検討では、クローディン6を過剰発現させた2種類の子宮内膜癌細胞株を樹立し、野性株と悪性形質を比較した。悪性形質は増殖能、遊走能、アポトーシスについて評価した。クローディン6過剰発現株は野性株よりも増殖能と遊走能において亢進がみられた。また阻害剤を用いてクローディン6の対合を切ると亢進した悪性形質はキャンセルされた。よってクローディン6の対合が悪性形質の増強に必須であることが示唆された。 我々は幹細胞で核内受容体であるレチノイン酸受容体RARγがクローディン6とクロストークして幹細胞の上皮分化に関わることを明らかにしている。子宮内膜癌はエストロゲン依存性の腫瘍であり、クローディン6がRARγと同じ核内受容体スーパーファミリーであるエストロゲンレセプターERsとクロストークして悪性形質に関与しているかどうかを検討した。ERα陽性子宮内膜癌細胞株のESR1ノックアウト株を樹立して(ESR1はERαをコードする遺伝子)、ESR1またはCLDN6(クローディン6をコードする遺伝子)、あるいは両者の遺伝子導入株を樹立して悪性形質を比較した。するとESR1およびCLDN6導入株で細胞増殖能および遊走能が亢進することがわかった。 またESR1およびCLDN6の存在下で転写が亢進する、悪性形質に関わる遺伝子もRNA シークエンスおよびqPCRにて確認した。またERαのリン酸化部位についても子宮内膜癌細胞のESR1ノックアウト株に野生型および第XXXセリン変異体ERαをレスキュー導入したところ、複数のがん悪性化関連遺伝子が第XXXセリンリン酸化に依存して発現上昇し、また細胞増殖能も亢進することがわかった。 現在、上記の研究成果について論文投稿中である。
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