2017 Fiscal Year Research-status Report
脊椎疾患に対する新たな腰背部体幹筋の筋持久力評価の基礎研究
Project/Area Number |
17K17982
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
小俣 純一 福島県立医科大学, 医学部, 医療技師 (10627326)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 体幹伸展筋 / 筋持久力評価 / 中間周波数 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】本研究は新らたに考案した体幹伸展筋に対する筋持久力評価時の中間周波数を検証して,筋持久力の指標になり得るか否かを検討することを目的とした. 【対象と方法】対象は,健常成人男性10名の左右腰背部傍脊柱筋20筋とした.評価肢位は,下肢を床に対して膝立ちの状態で体幹および上肢をプラットホーム上に伏臥位になるようにした.運動課題は,評価肢位から上肢をプラットホームから離すように挙上して保持(上肢挙上)と殿部をプラットホームから離すように挙上して保持(殿部挙上)の2種類とした.課題時は表面筋電計を用いて,T10・T12高位傍脊柱筋およびL2・L4高位傍脊柱筋を導出筋として,各高位における筋の中間周波数を算出した. 【結果】上肢挙上時におけるT10高位の中間周波数の結果は,T10高位の開始時に比べて120秒後において有意な低下を認めた.また,殿部挙上時におけるL2高位の中間周波数は,L2およびL4高位の開始時に比べて120秒後において有意な低下を認めた. 【考察】本研究において上肢挙上および殿部挙上時の中間周波数は,開始時に比べて120秒後に低下を示した.先行研究において中間周波数の低下は,筋疲労の指標であると報告されており,本研究の課題も中間周波数の低下が筋疲労を起こした結果であると考える.また,上肢挙上時のT10およびT12,殿部挙上時のL2およびL4高位の中間周波数は相関関係を認めており,各傍脊柱筋の分節的な疲労を示しているものであると考える.本研究で考案した体幹伸展筋に対する筋持久力評価は,中間周波数を検証した結果から筋持久力の指標になり得る可能性が示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究内容の「健常者および脊柱後弯症患者における腰背部体幹筋の筋持久力評価の保持時間と周波数の変化の比較と筋持久力の特徴および身体機能との関係性」の部分で、特に「身体機能との関係性」を見出すところで、やや遅れが発生している。具体的には、データ収集の途中に臨床上重要になってくると考えられる評価項目を追加した。そのために解析までの日程に数か月分の遅れが発生している。遅れ自体は取り戻してきているため、本計画で立てている最終的な到達点には達成できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
【目的】脊柱後弯患者を代表とする脊柱変性疾患に対する筋持久力評価の基準値を作成する。 【対象・方法】脊柱後弯症患者を書類の掲示で募集する。運動課題は、医療機関等にあるプラットホーム(治療用ベッド)に上半身をつけるように身体を載せて安定性およびリラックスできるような姿勢を取る。その姿勢から「臀部挙上」および「上肢挙上」の2 種類を用いて、それぞれ第2/第4 腰椎高位の傍脊柱筋(腰背部体幹筋下部)および第10/第12 胸椎高位の傍脊柱筋(腰背部体幹筋上部)の評価として実施する。検討するパラメータは、運動課題時の保持時間および周波数、身体機能とする。 【今後の推進】現在、患者データを蓄積している状況である。明らかなリスクが発生することもなく進めている状況であるため、現状のまま継続してデータを収集していく。 【変更点】対象数に関しては、予定段階で設定した50例よりも増やすことが可能な状況であるため、統計的パワーの再計算を実施して、対象数の増加を考慮している。
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Causes of Carryover |
測定機器等に関する物品で、購入機種の変更があったため、金額の変更等が生じている。未使用金額は、前年度に測定項目の変更等が生じたため、必要な物品に充てる。また、人件費の部分に関しては、現段階で自らのエフォート内で実施可能であったため使用していない。 研究計画に若干の遅れが生じていることから、全体的に予定よりも金額が低くなっている。現状は、遅れを取り戻してきているため、継続して実施していく予定である。
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Research Products
(4 results)