2019 Fiscal Year Research-status Report
重症脊髄損傷に対するナノテクノロジーと細胞シート工学のハイブリッド治療法の開発
Project/Area Number |
17K18023
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
奥田 哲教 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (80646167)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 / 細胞シート / 軸索再生 / 共培養 / 骨髄間葉系細胞 / 神経幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
完全離断型脊髄損傷モデルには欠損部を充填し神経再生の土台となるscaffoldの移植が必要である。軸索再生阻害因子を分解した、骨髄間葉系細胞と神経幹細胞との共培養シートを作成し、これを脊髄欠損部に移植することで、旺盛な軸索再生と再生軸索の髄鞘化、グリア瘢痕の形成を抑制し、運動機能改善を起こすことがわかった(現在論文投稿中)。しかし、in vivoにおいて、細胞シート上での軸索の伸長は単一方向ではなく、三次元的に蛇行しており、その伸長が最短ではなかった。軸索再生をより効果的に運動機能改善に結びつけるためには、最短かつ早期の軸索再生が必要であると考えた。そこで、配向性細胞シートの作成を試みた。 細胞シートの基礎である骨髄間葉系細胞を格子状に配置した細胞シートの作成を種々の格子の大きさで試みた。格子が大きければシート強度が落ち、培養皿から剥がす際に構造が破綻してしまい、格子が小さいと、格子部に骨髄間葉系細胞が浸潤し細胞シートが形成され、通常の細胞シートとなってしまった。以上から格子状細胞シートの作成を断念し、通常の細胞シートを用いることとした。共培養する神経幹細胞に配向性を持たせるため、cell fiber技術を用いた神経幹細胞fiberを作成し、配向性共培養シートを作成していく。 軸索再生を早期から促進し、かつ細胞シート内への進入を容易なものとするために、強い軸索再生誘導効果をもつ神経栄養因子であるNT-3を細胞シートに搭載する必要があると考えた。その搭載方法はドラッグデリバリーシステムで用いられるナノカプセルに含有させ、細胞シートに搭載するものである。含有ナノカプセルの作製において、ナノカプセル様物質が得られているが、その形状維持が非常に不安定であり、細胞シート移植前の洗浄段階で溶解してしまっている。そのため現在、作成を外部委託し、ナノカプセルを移植する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画していた、格子状細胞シートの作成の作成を行なっていたが、実験期間内での作成は困難と判断し、通常細胞シートを用いた実験に変更するのに時間を要した。さらに、2018年度(2018年12月)から研究留学でアメリカのUniversity of Miami, Miller school of Medicine, Miami Project to Cure paralysisに1年間の留学を行なっていたため、その間の実験が遂行できなかった。2020年1月から実験を再開したが、COVID-19の中国、アメリカでの蔓延を受け、救命救急センター所属であるため、その対策といった通常臨床業務のeffortが増大し、実験の遂行が計画通りにはできなかったことが要因と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画していた格子状細胞シート作成から通常細胞シートを用いた実験に変更している。配光性細胞シートを作成するために、骨髄間葉系細胞を格子状に配置して配光性を得るのではなく、共培養を行う神経幹細胞に配光性を持たせることとした。cell fiber技術を用いて、神経幹細胞fiberを外部委託で作成し、それを通常細胞シートに一方向性に配置して配向性細胞シートを作成する。さらに、ホソカワミクロン社にナノカプセル作成を委託し、それを配向性細胞シートに移植し、実験を行う。
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Causes of Carryover |
2018年12月からUniversity of Miami, Miller school of Medicine, Miami Project to Cure Paralysisに1年間留学していた為、実験が遂行できず、実験期間の延長を申し出て、承認された為。
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Research Products
(1 results)