2018 Fiscal Year Research-status Report
Generation of pseudo surface model applicable for geometrical tolerancing
Project/Area Number |
17K18029
|
Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
大塚 章正 山陽小野田市立山口東京理科大学, 工学部, 講師 (90611848)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | Skin model shape / Wavelet transformation / 幾何公差 / 公差解析 / CG |
Outline of Annual Research Achievements |
機械製品の基本設計のフェーズにおいてはCAE(Computer Aided Engineering),そして詳細設計においてはCAT(Computer Aided Tolerancing)が有効なツールとなる.これらのツールの内部では,解析対象となる製品形状は幾何学的理想形体(平面,円筒,球など),ならびに,理想形体からの偏差でモデル化されている.しかし,それらのモデルは実際の加工形状の特徴を有するモデルは用いられてはおらず,簡易的なものに留まっている.計算結果と実際の現象の差を埋めるためには,より機械加工面の特徴を模したモデルを使用するほうがよい. そこで本研究課題では,機械加工面の特徴を有する表面モデル(線や平面)をランダムに生成する手法を確立することを目的としている.ランダムに生成する理由は,大量生産品のばらつき解析への応用や,幾何公差における統計公差指標の有効性の検証を見越しているからである. 昨年度は,ウェーブレット変換を応用した周期性やクラックなどの特徴を有するランダムな疑似表面モデルを生成法を提案し,そのソフトウェアを開発した.本年度は当初の予定どおり最適なマザーウェーブレットの選択を行った.これにより,去年度よりも機械加工面の特徴をより鮮明に残すことが可能となった.しかし,このモデルには高周波ノイズが発生してしまう問題があった.そこで擬似表面モデルの統計量を保ちつつノイズを取り除く方法を考案し実装した.また,公差解析ソフトウェアを開発し,ランダムに生成した二つの擬似表面モデルの噛み合わせ後の姿勢変化などを計算できるようになった.この計算を繰り返し姿勢変化のばらつきを分析した結果,機械加工面の特徴を考慮しない場合はこのばらつきを過小評価する危険性があることが判明した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおり,去年度開発したソフトウェア上において様々なマザーウェーブレットを用いて擬似表面モデルを作成し,最適なものを選定した.これにより,機械加工面の特徴をより鮮明に再現することができた.また,CG技術を応用した公差解析ソフトウェアを開発し,ランダムに生成した二つの擬似表面モデルの噛み合わせ後の姿勢変化などを計算できるようになった.
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の予定どおり,本年度は事例研究を行う予定である.擬似表面モデルの集合体で表現されるアセンブリを用いた公差解析ソフトの開発,有限要素法への応用を予定している.
|
Causes of Carryover |
旅費が当初の予定より安くできたため次年度使用額が生じた。 2019年度においては、学会発表、論文投稿などの費用に充てる予定である。
|