2017 Fiscal Year Research-status Report
看護学生におけるレジリエンスと脳腸相関との関連性について
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17K18047
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 彩加 自治医科大学, 看護学部, 助教 (40783270)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 看護教育 / ストレス / レジリエンス / 脳腸相関 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、看護学生を対象としてストレス反応性と脳腸相関との関連性を明らかにすることを目的としている。ストレス抵抗性と関連し心身の健康を保護する上で重要なレジリエンスの向上因子について、ストレス反応性に強い関わりをもつ脳腸相関に着目し、この機序の解明、およびストレス関連疾患の予防について検討するものである。 レジリエンスとはストレス応答に対する個人差について提唱された概念的なものであり、心理面との関連研究が多く行われてきたが、向上因子や作用機序については明らかになっていない。医療現場での役割の多様化、高度化などからストレス状況下に暴露されることの多い看護職において、心身の健康状態を保つことは重要な課題であると言える。そこで、対象とした看護学生の段階からストレスへの過剰反応を予防できる方法が示唆されれば、将来の医療現場の人員、質の確保に繋がる意義を持つ。 脳腸相関とは、脳と消化管との機能的関連として明らかになっているものである。脳腸相関の反応性は心理的ストレスに影響を受け、脳と消化管双方の機能障害等が起こることが知られている。本研究では新たに脳腸相関という視点からの解析を行っていく。これにより機序や関連因子の抽出が期待でき、今後のレジリエンス研究の基盤となり得ると考えられる。 平成29年度は、①先行研究等からアンケート調査用紙の妥当性を検討し、対象者への配布や解析に必要な手続き、準備等を行った。また、②妥当性が確立された心理尺度以外に独自で作成する、食内容に関する調査用紙の作成を試みた。代表的なストレス関連疾患である過敏性腸症候群において低FODMAP食の有用性が注目されており、本研究ではこれに着目した、独自の調査用紙の作成を継続して行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、先行研究からアンケート調査用紙の妥当性を考察し、倫理審査申請を行うことができた。これにより、アンケート調査を行う準備を整えることはできたが、当初計画よりも対象者へのアンケート調査用紙配付の遅延が生じている。調査用紙の解析準備も進めることができたため、配布後には速やかに解析を進めることが可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、アンケート調査用紙の配付と解析を実施する。まずは、食事の内容に関する独自の調査用紙を確立し、作成する。調査用紙の配付は本研究の目的上、対象者において強いストレス暴露が予想される臨地実習後の配布が計画されている。そのため、適切な時期にスムーズな配布と回収を行うための調整も継続していく。
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Causes of Carryover |
当初は、専用のソフトによる解析やアンケート調査用紙の配付および送付を行う計画であったが、調査用紙配付がまだ行われていない。これらが実施される次年度に該当金額を使用する。
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