2018 Fiscal Year Research-status Report
自家蛍光を用いた未染色病理標本のデジタル染色・定量化法の開発
Project/Area Number |
17K18064
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
石川 雅浩 埼玉医科大学, 保健医療学部, 講師 (70540417)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 病理画像 / 自家蛍光 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
自家蛍光画像のデジタル染色の実現に関して,自家蛍光画像からのデジタル染色の実装を行った.昨年度得られた結果を検討し,Hyper Spectral画像を用いずにRGB画像によって高精度な推定結果が得られることから新たに特許申請を行った.本申請では,深層学習を用いることでRGB画像からも高精度な推定が可能なことが確認された.昨年度までの提案法は,Hyper Spectral画像を必要とするため臨床にHyper Spectralカメラが必要となった.しかし,今回の結果を用いることでHyper Spectralカメラ無しに提案法が利用できるため,臨床応用に向けて大きな成果が得られたと考えられる.しかし,組織によって自家蛍光の様子が変わることが明らかとなりより高精度な推定方法の検討が必要なことも明らかとなった.加えて,Hyper Spectralカメラを高感度化し自家蛍光のスペクトル取得を行い自家蛍光の特性確認も行った.また,細胞核に着目した染色手法についても検討を進めた.深層学習を工夫することで一定程度精度が向上することが確認できたが,他の組織において精度の低下が見られた.他の深層学習法としてSemantic segmentation法として広く用いられているU-netを採用したが十分な収束結果が得られなかった.U-netを用いた検討では,patch単位の精度評価が60%程度から収束せず,判別実験でも細胞核と細胞質の分類が困難であった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の目標であった組織ごとの精度向上を検討したが,良好な結果が得られなかった.これらについては,被験者によって課題の難易度が変わる可能性があるため検討する被験者を増やすことで相対的に検討を進める予定である.また,特許申請にかかるため提案法の論文化が遅れているため,研究の加速が必要と考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
組織によって精度に差が発生する問題を解決するために,複数の組織を使った検討と深層学習を用いた推定法の改善を予定している.これまで,特定の被験者の組織を対象に検討を進めてきたが被験者数を増やして,提案法が良好に機能する組織と十分な結果が得られない組織の検討を行う.検討から得られた知見をもとに精度向上可能な組織等に着目して検討を進める.また,得られた結果の論文化を目指す.
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Causes of Carryover |
研究の進捗がやや遅れが発生しているため延長申請を行い,研究の進捗に合わせて予算の翌年度使用を申請した.今回,繰り越した予算は当初Hyper Spectralカメラに使用する予定であったが検討を進めたところRGBカメラでも一定の成果が得られたことから予算の繰り越しを行った.今後は,研究の進捗に合わせてHyper Spectralカメラの高精度化や深層学習用機器の購入への使用を計画している.
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