2017 Fiscal Year Research-status Report
若年期女性のやせ予防対策確立の根拠となる基礎資料の構築
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17K18067
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Research Institution | Seigakuin University |
Principal Investigator |
広瀬 歩美 聖学院大学, 人間福祉学部, 助教 (20734841)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 若年女性のやせ / 朝食欠食 |
Outline of Annual Research Achievements |
若年女性のやせ傾向は、本人の健康のみならず、妊娠・出産を通して次世代の健康への影響があることから看過できないが、具体的な解決策はない。本研究は、妊娠・出産前の大学生、中学生を対象として、やせ傾向を予防するための基礎的資料を構築することを目的としている。 平成28年度においては、大学生の健康診断におけるデータを蓄積するとともに、本年度までに得られたデータの整理と基礎的な解析を行った。学年が上がるにつれて、男子学生においては肥満者が、女子学生においては痩せ者が増加する相反する現象を確認した。また、女子学生において、普通体型(18.5<BMI<25)の者の約8割、痩せ体型(BMI<18.5)の者の約3割が「もっとやせたい」という痩身願望を有し、痩せ体型の者の約5割は「このままでいい」と感じており、強い痩身傾向がうかがえた。これらの結果は、聖学院大学第69回キリスト教と諸学の会にて口頭発表を行い、現在投稿誌に向けて論文を執筆中である。また、大学生における朝食欠食率は、学年が上がるにつれて上昇している点に着目しさらなる解析を行った。大学生における朝食欠食の現状を把握するとともに、学童期・思春期から朝食を摂っていない者と、大学生になってから朝食を摂らなくなった者の心身の状態や生活習慣を比較し、結果をまとめた論文を、『聖学院大学論叢』において公表した。男子大学生において、大学生から朝食欠食がはじまった者の痩身願望が強いことが明らかになったが、女子学生においては欠食開始時期と痩身願望に関連はみられなかった。朝食欠食の開始時期によらず、現状での朝食欠食を改善するための方法が求められることを考察した。さらにこれらの研究成果をもとに、大学の保健室と連携した減量サポートや、朝食摂取向上の推進運動など、対象者に対するフィードバックを実施することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度においても、問題なく質問紙調査の実施ができ、実際の体型と痩身願望等痩せに関する質問について、その後の体型変化を示す縦断的なデータを蓄積することが出来、得られたデータについて論文として公表することもできた。現在はさらに解析を進めており、随時学会発表および論文執筆を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、現在得られているデータの解析を進めながら、新たなデータ取得を並行して実施する予定である。現在は、若い女性のやせ願望が健康に関するアウトカムにどのように結びついているかに着目し解析を進めており、得られた結果は学会発表および論文として公表する予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度のうち、半年間を産前産後・育児休業期間として休職していたため、自宅でできる範囲の研究作業(解析、論文執筆等)に作業を集中し、遠方への学会参加やさらなる研究遂行のための設備を整えることができなかったため。 次年度は職場に復帰するため、当初の予定通り研究を遂行できる見込みである。すでに学会発表の予定もあり、旅費等の支出も見込まれている。
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