2018 Fiscal Year Research-status Report
前足部接地はスポーツ傷害の予防に繋がるか~前十字靱帯損傷に着目して~
Project/Area Number |
17K18072
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
吉田 成仁 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 准教授 (60581791)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 前十字靭帯 / 筋活動量 / 動作分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
ジャンプ着地やカッティング動作といったスポーツパフォーマンス時の足の接地フォームを後足部接地(踵接地)から前足部接地(つま先接地)に修正することで、膝前十字靭帯損傷を予防できる可能性がある。そのため、つま先接地でのパフォーマンスが前十字靭帯損傷予防に対する効果を明らかにすることを本研究の目的とした。目的を達成するため、踵接地とつま先接地による接地フォームの違いが、膝前十字靱帯損傷のリスクファクターに与える影響を検討した。関東大学リーグに所属する学生アスリートを対象として180度ターン動作をつま先接地(FFS)と踵接地(FRS)の2種類の試技を実施させた。課題動作の各試技を赤外線カメラにて撮影し、3次元動作解析を行い下肢の関節角度、下肢筋の筋活動量を算出し、足の接地フォームと筋活動動態、関節角度の関連性について検討した。RFSにおいて床反力の鉛直成分および後方成分がFFSに比較して高値を示したことは、RFSがACL張力の増加に影響し、ACL損傷リスクを高める可能性が考えられる。また、FFS時には腓腹筋外側頭、内側ハムストリング、中殿筋の筋活動がRFSに比較して高値を示しており、FFSはRFSと比較してACL損傷リスクの軽減に繋がる可能性が示された。本研究内容を国際雑誌に投稿するため、英文に翻訳し、投稿の準備をすすめた。また、これまでの検討結果から前足部接地の有用性が示唆されたと考えており、被験者に対する着地動作フォームの修正等の指導を行った。2019年度に被験者への教育指導の前後における傷害発生の変化について検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
若手独立基盤形成支援への申請・採択により、当初予定していた機器の購入についての検討を再度行ったため、機材の導入が遅れたが、予定していた課題動作については測定・解析を終え、結果を取り纏めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに行った測定結果を取り纏めた内容について国際雑誌への投稿準備をすすめる予定である。また、2018年度に被験者に対して接地フォームの修正を指導したので、2019年度末には、その前後の傷害発生率の変化について検討を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
若手研究(B)における独立基盤形成支援(試行)への採択により、2017年度からの追加交付に合わせ、機器の選定を行ったことで研究の進捗が予定よりも遅れたため、2018年度実施予定だった内容について、研究期間延長の申請を行い、2019年度に実施することとしたため。 2019年度には研究の取り纏めとともに、学会発表、論文投稿など研究成果報告のための費用を計上している。
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