2018 Fiscal Year Research-status Report
非心臓手術周術期心房細動の短期・長期予後への影響に関する前向き調査
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17K18085
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
樋口 聡 杏林大学, 医学部, 助教 (10445281)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 周術期心房細動 / 悪性腫瘍 / 脳梗塞 / 抗凝固療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
【概要】本年度は組み入れた症例の1年後フォローを完了させた。中途打ち切りは10%程度でフォローアップデータの信頼性を維持している。また、イベントレコーダーのフォローは予定通り実施することが出来た上に周術期心房細動症例は全症例で中途打ち切りなくフォロー出来ている。研究成果の公表に先立ち、当該研究のプロトコールが英文誌(BMC Cardiovascular Disorders; 2018 26;18(1):127)に受理された。また、本研究に関連する5件の研究について、その成果を原著論文として発表することが出来た。 【長期予後について】全症例で1年フォローが終了し、周術期心房細動の再発率とその予測因子が明らかになった。また、心房細動再発はその後の有害事象(全死亡、脳梗塞)と関連することも判明した。周術期と同様、遠隔期の心房細動の大多数が無症候性であり、長期イベントレコーダー使用の重要性が示された。本研究の対象は悪性腫瘍の患者であるが、抗凝固療法に関連した重大な出血イベントはほとんど観察されなかった。また、塞栓イベントも数件認められた程度であった。 【臨床的意義と重要性】周術期心房細動は手術後の一過性の不整脈ではなく、その後も経過を追う必要があることが示された。このことを今までに直接示した前向き研究はなく、特記すべき新規性であると考えられる。心房細動が再発した症例では有害事象が有意に多く、これらは注意して長期フォローを行うべき集団である。更に、無症候に再発する心房細動が高頻度で認められたことから、長期間の心電図記録が必要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画当初に予期しえなかった不都合は現時点では生じていない上に、全症例のフォローアップは順調である。特に周術期心房細動を起こした症例は全例で中途打ち切りなく1年フォローを完遂することが出来たことより、計画通りの進展と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き登録患者のフォローを当初の計画にのっとって進めていく。同時に論文作成を進めていき成果を英文誌で発表することを目標とする。
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Causes of Carryover |
平成31年度分から400000円の前倒し請求を行っており、次年度使用額は実質生じていない。次年度使用額は638円となり、次年度使用可能な金額は100638円となる。論文作成にかかる経費にあてる予定である。
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Research Products
(6 results)