2017 Fiscal Year Research-status Report
薬剤耐性菌制御に向けた腸内フローラの機能の解析と応用
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17K18094
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
安間 恵子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特別研究員(PD) (10791890)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腸内フローラ / 抗菌薬 / 定着阻害 / 薬剤耐性菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
薬剤耐性菌の定着を阻害する腸内フローラの探索および、定着阻害に関わる細菌由来因子の同定を目的とし、腸内フローラを利用した薬剤耐性菌の新しい制御戦略を構築することを目的としている。 上記の目的のために、平成29年度は定着阻害に関わる菌の探索に関わる実験を実施した。 薬剤耐性菌を排除するモデルとして、しばしば薬剤耐性菌となり問題となるKlebsiella pneumoniaeを無菌マウスに投与し定着させた。それらのマウスにヒト便を投与し、Klebsiella pneumoniaeを排除できるかを検証した。その結果、複数の健常者由来の便の投与により、Klebsiella pneumoniaeを排除できることがわかった。さらにKlebsiella pneumoniaeの排除に関わる責任菌を同定するため、[1]排除できたヒト便を投与したマウスに複数の抗菌薬の投与を行い、各々の抗菌薬投与下でも排除能が維持されるかを比較、検証した。その結果、いくつかの抗菌薬の投与によりK.pneumoniaeの排除能が失われた。抗菌薬投与により排除能が失われた腸内フローラと維持されたものの比較を行った。 [1]と並行して、[2]排除が可能であった健常者の便から菌の単離を行った。ヒト由来の単離菌を投与して、排除能が維持されているかを検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度はKlebsiella pneumoniaeの腸内への定着阻害に関わる菌の探索実験として、無菌マウスを用いて検証した。Klebsiella pneumoniaeは複数の健常人由来の糞便移植により、排除できることが確認できた。さらに、ヒト便からの菌の単離も並行して行なっている。
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Strategy for Future Research Activity |
抗菌薬を用いて腸内フローラの改変を行い、排除能の有無と比較して、排除に関わる菌の絞り込みを行なっていく方針である。さらに、すでに単離した菌を投与して、それらの菌によるKlebsiella pneumoniaeの排除能を検証していく方針である。ある程度の菌群を同定できれば、それらの菌を解析し、その排除機構の同定も行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
平成29年度は研究代表者の産休・育休に伴い、中断している。平成30年度以降に繰り越して使用していく予定である。
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