2018 Fiscal Year Annual Research Report
Polycythemia and peritubular capillary rarefaction in neonates born preterm and low birth weight
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17K18095
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
浅田 礼光 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (20757439)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 多血 / 早産低出生体重児 |
Outline of Annual Research Achievements |
早産低出生体重児は様々な合併症に罹患する。我々は超低出生体重児が生後早期の貧血(未熟児貧血)だけでなく、思春期にかけての多血症を発症することを発見し報告した(Asada N et al. Polycythemia, capillary rarefaction, and focal glomerulosclerosis in two adolescents born extremely low birth weight and premature. Pediatr Nephrol 2017) 。病理学的解析で、低出生体重児として出生し多血症を呈した患者の腎臓では尿細管周囲毛細血管密度が低下していることが明らかになった。このため、腎臓の組織酸素濃度が低下し、造血ホルモンであるエリスロポエチン産生が増加することで多血が引き起こされたと考えられた。本研究課題ではさらに、超低出生体重児において腎臓の毛細血管発達が障害される機序の解明を目指した。 まず、血管新生への影響が最も大きいと考えられた生後の酸素濃度変化(低酸素・高酸素)の影響を調べた。低酸素・高酸素モデルでは腎毛細血管の発達に一過性の影響が認められるのみで、成熟マウスでは優位な変化は認められなかった。 次に、超低出生体重児の加療で頻繁に使用される糖質コルチコイドが血管発達にどのような影響を与えるのか調べた。糖質コルチコイドを生後3日目からマウス仔に投与したところ、生後14日目の解析で優位な腎毛細血管の減少が確認された。成熟マウスでも同様の所見が認められ、かつ多血を呈していた。 以上から、超低出生体重児における腎毛細血管減少および多血には糖質コルチコイドが関与していると考えられた。今後、さらなる研究を実施する予定である。
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