2017 Fiscal Year Research-status Report
HS物体認識のための空間~波長空間の低次元化とそのロボット視覚への実装
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17K18096
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小篠 裕子 慶應義塾大学, 理工学研究科(矢上), 特任助教 (20782098)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ハイパースペクトル / 物体認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
多くのサービスロボットの研究において,視覚センサとしてRGBカメラを搭載し,ロボットが物体を認識する際に用いることが多い.近年,RGBカメラの何十倍もの情報を取得可能なHSカメラが開発され,注目を浴びている.HSカメラは,紫外-可視-近赤外線域で波長毎の バンド情報を取得可能なセンサであり,人の目やRGBカメラでは捉えられなかった物体間の特性の違いを詳細かつ照明変化に頑健に捉えられる.本研究は,HSデータを用いて物体認識に特化した新しい色空間を構築し,ロボットに搭載可能な物体認識手法を確立することを目指している.具体的な研究項目は,(A) HSカメラで撮影した物体画像データセットの構築,(B) 物体識別に特化した色空間構築と物体認識,(C) 提案手法のロボット実装,(D) ロボットでの検証結果分析となる.平成29年度においては、項目(A)と(B)に関する研究を行った.本年度は,HSカメラで撮影した物体画像データセットを構築し,HSデータの画像認識への利用可能性を明らかにした.具体的には従来のRGB画像と比べ,非常に高次元なHSデータの特性を生かした物体認識のためのCNNアーキテクチャを開発し,従来の物体認識において大幅に精度が向上することを実験により確かめた.また,HSカメラを新しいロボットの眼として搭載することを考慮すると,物体の基本形状取得や,遮蔽に頑健な人や物体の特定・認識機構が必須になるという新たな課題に気づき,本年度はベースラインとなるRGB画像において,物体の基本形状を取得する手法や遮蔽に頑健な人特定手法など,当初の計画に加えた研究開発を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
物体認識において,HSデータを用いるCNNアーキテクチャを新たに開発した.実験により,RGB画像を用いたベースライン手法と比較し,HSデータを用いた本手法は20%以上の精度向上が得られたことを確認し,本成果における学術成果の投稿を準備している.また,新たに発生した課題である,物体の基本形状取得や,遮蔽に頑健な人や物体の特定において,本年度はベースラインとなるRGB画像を用いた手法を開発し,国内会議・国際会議にて学術成果を発表した.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に開発したHSデータを用いた物体認識のためのアーキテクチャを,RGB画像に対して開発した形状取得や特定・検出などに適用・拡張した手法を開発する予定である.さらに,開発した手法のロボット実装を進める予定である.
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Causes of Carryover |
物品の購入が予定より少なかったため,残金が生じた. 研究遂行のための物品の購入,および情報収集・研究発表のための旅費として使用する計画である.
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Research Products
(4 results)