2017 Fiscal Year Research-status Report
小・中移行期の双生児における社会関係と学校適応との関連についての縦断研究
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17K18099
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
野嵜 茉莉 弘前大学, 教育学部, 講師 (90710278)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 双生児 / 思春期 / きょうだい関係 / 仲間関係 / 抑うつ / 質問紙 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、小学校から中学校への移行期にあたる双生児を対象に、社会関係が学校適応に及ぼす影響について明らかにすることを目的としている。研究期間初年度は、「ふたごの成長と教育に関する調査」というタイトルで小学5・6年生の双生児288組を対象に質問紙調査を実施した。質問紙には双生児本人が回答した。収集したデータの一部を用いて、以下の2点を検討した。 1.思春期の双生児における社会関係(きょうだい関係・仲間関係)の様相の検討 一卵性男児・一卵性女児・二卵性男児・二卵性女児・二卵性男女の5つのグループに分けて分析を行った。きょうだい関係における親密さ、仲間関係における信頼・コミュニケーションは女児ペアが他のグループに比べて高いことがわかった。一方、社会関係のネガティブな側面はグループによる差異が見られなかった。また、男児ペアにおいて、きょうだい関係の親密さと対立には有意な負の相関関係がなく、きょうだい関係がネガティブ―ポジティブの一軸上にはないことが示唆された。 2.思春期の双生児におけるきょうだい関係・仲間関係が抑うつに及ぼす影響 1と同様5つのグループに分けて分析を行った。要点として、きょうだい間の対立は、同時点の抑うつに影響しないこと、仲間関係におけるコミュニケーションは、同時点の抑うつに影響しないこと、仲間関係における疎外感は同時点の抑うつを高めることが示された。ただし、一貫した傾向が見出されない部分もあり、今後その原因についてさらなる検討が必要とされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的に沿って、思春期の双生児を対象にした調査を実施し、一時点目のデータを順調に収集することができた。得られたデータに基づいて、思春期の双生児の社会関係と心理的適応に関する基礎的・実証的な知見を明らかにし、その成果について学会において積極的に発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
一時点目の調査のデータ数が不十分のため、次年度も引き続き同様の調査を実施する。また、二時点目の調査実施のための準備を進める。また、得られた成果について、論文を執筆し、国内外の学術誌に投稿する。
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Research Products
(6 results)