2018 Fiscal Year Research-status Report
Fundamental chronic pain study by the investigation of the relationship between aging and oxidative stress
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17K18111
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
佐藤 仁 昭和大学, 歯学部, 助教 (00594954)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 侵害受容性疼痛 / 神経障害性疼痛 / TRPV1 / 活性酸素種 / c-Fos / ATF3 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性疼痛性疾患において侵害刺激の受容に関与するtransient receptor potential vanilloid 1(TRPV1)の発現量が感覚神経の細胞膜上で上昇した場合を想定し、EGFP-TRPV1を様々なレベルで安定発現するPC12 cell lineを使用して実験を続けている。 前年度の研究により、TRPV1高発現細胞株とTRPV1低発現細胞株をアゴニスト刺激した際には、活性酸素腫が発生し、アポトーシスが誘導されることが明らかとなっている。本年度は、アポトーシス誘導の際に誘導されるMAPキナーゼ、特にc-Jun N-terminal kinase(JNK)のリン酸化の上流および下流に存在するシグナル伝達経路につき解析を行った。 活性酸素種発生後に生じるTRPV1高発現細胞株のアポトーシスは、pan-caspase inhibitorであるZ-VAD-FMKの投与により抑制されるため、現在、リン酸化されたJNKの下流においてシグナル伝達を受けるcaspaseの詳細を分析中である。 また、実験動物を用いて、三叉神経支配領域に対する刺激を行った際に、細胞体の多くが存在する三叉神経節において、種々のストレスに迅速に応答する転写因子Activating transcription factor 3(ATF3)や、神経細胞の興奮性を示すc-Fosが発現することが明らかとなった。そこで、それらの転写因子やタンパク質の発現が抗酸化作用を持つ化合物の投与により抑制されるかを解析している。また、シナプスの存在する三叉神経尾側亜核において、末梢神経の刺激後にグリア細胞の形態が変化することから、抗酸化作用を持つ化合物の投与により、それらの変化がどのように調整されるかについても解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in vivoでの実験において、信頼性のある実験結果が十分に得られておらず、実験条件の変更を検討している。また、実験動物の免疫組織学的解析において、より明確なマーカーを検索するため、引き続きin vitroでの実験も行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は実験動物を用いて、抗酸化作用を持つ各種化合物の鎮痛効果について評価し、それらの化合物がグリア細胞に与える影響を解析する。
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Causes of Carryover |
実験動物を使用したin vivoでの解析に遅れが生じているため。
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